【東東京】都東にもいた!「鈴木誠也」神ってる4回7K

[ 2016年7月14日 09:01 ]

4回無失点7奪三振と好投した都東・鈴木誠也

第98回全国高校野球選手権東東京大会2回戦 都東9―2広尾学園

(7月13日 明大球場)
 「神ってる」エースの出現だ。ブレーク中の広島外野手と同姓同名の都東・鈴木誠也。4回1安打無失点で5者連続を含む7奪三振と好発進だ。

 大会前に右肩を痛めて万全ではないが、チームの総意で夏初戦の先発を任された。「雰囲気を持っていかれるので、四球を出さないように」と制球重視で無四球。要所では1メートル87の長身から角度と力のある直球を繰り出し三振の山を築いた。大量援護でのコールド勝ちには「みんなに助けてもらった」と感謝した。

 広島の緒方監督が急成長の21歳スラッガーを評した「神ってる」のフレーズは知らないというが、同名スターの存在に「やばいです。なんでこの名前なのかと。次元が違う」と照れ笑いする。同じ東東京の二松学舎大付で4年前にエースだった“先輩”の存在は当時から知っていた。「直接ではないけど、映像を見た。140キロをバンバン投げていて凄かった」。中2の誠也少年にとって、大きな刺激になった。

 共通点も多い。本家は東京・荒川出身で、父が自宅倉庫で練習に付き合った父子鷹。こちらも東京の下町・亀戸育ち。父・政彰さん(47)も野球経験者で、少年野球の監督、コーチとして息子を直接指導した。「他のみんなと同じように、チームの一人として厳しく接してくれた」。特別扱いしない一方、帰宅後はマンションの駐車場で熱心に素振りを見守った。父は「名前の通り、野球にも勉強にも誠実に向き合ってほしい」と願う。

 8番に座る打撃では、死球と二飛で安打はならず。「打撃は好きで自信もあったけど、きょうはダメだった」と苦笑いした。目標は同校初の16強。将来は野球指導者を目指すという17歳が25年ぶりのセ・リーグ優勝へチームを引っ張る「誠也」と同じように歴史をつくる。(矢吹 大祐)

 ◆鈴木 誠也(すずき・せいや)1998年(平10)12月5日生まれ、東京都江東区出身の17歳。小1からやまと野球部で野球を始め、中学時の七北クラブまで内野手と外野手。都東入学後に本格的に投手となり、2年秋から背番号1。持ち球はフォークとスライダー、最速131キロ。1メートル87、71キロ。右投げ右打ち。

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