今季で引退表明のオルティス 最後の夢舞台 さあ次は3冠王

[ 2016年7月14日 05:30 ]

<大リーグ第87回オールスター戦>ファンのスタンディングオベーションに応えるレッドソックスのオルティス (AP)

大リーグ第87回オールスター戦 ア・リーグ4―2ナ・リーグ

(7月12日 サンディエゴ)
 大リーグの第87回オールスター戦は12日(日本時間13日)、パドレスの本拠ペトコ・パークで行われ、ア・リーグが4連勝を飾った。今季限りの現役引退を表明しているレッドソックスのデービッド・オルティス内野手(40)は「4番・DH」で出場。1打数無安打1四球ながら、この日一番の歓声を送られた。MVPは本塁打を含む2安打2打点のロイヤルズのエリク・ホスマー内野手(26)が受賞。アは通算成績を42勝43敗2分けとし、ワールドシリーズ本拠地開幕権を手にした。

 万雷のスタンディングオベーションに、オルティスはヘルメットを掲げて応えた。3回1死、四球を選んで交代し、104キロの巨体を揺らし一塁ベンチ前へ。待ち受けたア・リーグの全選手と握手し、抱擁を交わす。「ビッグ・パピ」と愛された男は、惜しまれながらオールスターの舞台から去っていった。

 10度目の球宴。初回の第1打席は痛烈な一ゴロに倒れた。「俺は2打席目にホームランを打つはずだったんだけどな」とニヤリ。3回に対戦したマーリンズの若き剛腕フェルナンデスとは、前日に全球直球勝負を約束していたという。「それが初球はチェンジアップ。フルカウントからの最後はスライダーだぜ」。足元へ外れたスライダーをよけ、豪快に笑った。

 昨年11月に今季限りでの現役引退を宣言した。ところが今季は打率・322と72打点はリーグ2位で、22本塁打はトップと6本差。3冠王にも手が届きそうな勢いだ。エンゼルスのトラウトが「彼は引退しない。来年もここにいる」と話すなど惜しむ声は多いが、オルティスは「体が衰えた」と、その考えに変わりがないことを強調した。これが最後の夢舞台。試合前のクラブハウスでは「この経験をキャリアに生かしてくれ」などと若手らに向けスピーチした。

 会見では引退の花道として、来年3月のWBCにドミニカ共和国の一員としての出場を期待されると「妻が許してくれないだろう」とはぐらかした。チームはプレーオフ出場圏内につける。有終の美へ、最後まで豪快に、パピらしく笑みを絶やさず後半戦へ臨む。

 ◆デービッド・オルティス 1975年11月18日、ドミニカ共和国出身の40歳。92年にマリナーズと契約し、ツインズに移籍した翌97年に21歳でメジャーデビュー。03年にレッドソックスに移籍し、06年に初の本塁打王と2年連続で打点王を獲得。通算成績は2338試合で打率.286、525本塁打(歴代19位)、1713打点(歴代23位)。今季年俸は1600万ドル(約16億6400万円)。1メートル91、104キロ。左投げ左打ち。

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