広島 19日にもM42点灯 13点G倒!今季最大11差

[ 2016年7月13日 05:30 ]

<広・巨>2回1死、新井は右越えに9号同点ソロを放つ

セ・リーグ 広島13―3巨人

(7月12日 マツダ)
 25年ぶり優勝のマジックナンバー点灯が見えてきた。広島は12日、2位の巨人を今季最多19安打、同最多タイの13得点で一蹴。新井貴浩内野手(39)が2本塁打を含む4安打で5打点と大暴れした。今季初の貯金20。2位との11ゲーム差は今季最大で、最速で19日にもマジック42が点灯する。「リメークドラマ」は許さない。

 このまま突っ走れるかを占う一戦だった。11・5ゲーム差を大逆転された96年巨人の「メークドラマ」から20年。独走開始前の5月26日以来となる巨人との対戦で、2連戦2連敗を喫するようなことがあれば…。そんな不安は全くの杞憂(きゆう)に終わった。

 13得点の打線で、新井が4安打5打点とひときわ気を吐いた。まずは0―1の2回1死。カウント2ボールから内海の外角ツーシームを捉えた。「バッティングカウントだったし、思い切っていこうと思った」。右翼席へ同点の9号ソロだ。

 3回1死一、二塁では左前へ勝ち越し打。5回は無死一塁から再び右越えに10号2ランを運ぶと、打者一巡した第4打席で左翼へ適時二塁打を放った。1試合2本塁打は阪神時代の13年5月7日の巨人戦(東京ドーム)以来。「3年ぶりですか。ちょっと恥ずかしいですけどね」と笑いながら、手応えを口にした。

 「逆方向に飛ぶというのは、ちゃんと下半身でいい感じで振り切れているとき。小手先だけで打つと行かない」

 7月は出場7試合で打率・593、5本塁打。16打点。今季広島を象徴するワードを借りれば、まさに「神ってる」猛打ぶりだ。夏場に体力的厳しさを感じた昨年とは違いを実感する。「去年の今ごろは疲れて動けなかった。トレーニングもできなかった」と言うが、今は疲労の中でも週に2回程度はトレーニングを実施。それが下半身の粘りにもつながっている。7月に入って5本塁打を量産。史上42人目の通算300本塁打も残り3本と視野に入ってきた。

 2位に今季最大となる11ゲーム差をつけたが「一試合一試合、それは変わらない」と気を緩めることはない。プロ入りは99年で「メークドラマ」は実体験していない。ただ、その上をいく苦い記憶が脳裏に刻まれている。阪神時代の08年、最大13ゲーム差を2位・巨人につけながら逆転を許した「メークレジェンド」だ。同じ過ちを繰り返すわけにはいかない。

 6日、阪神戦に勝った巨人の阿部は「広島と(競り合って)ガチンコでいきたい」と語っていた。そんなライバルの意気を消沈させる、今年の強さ。13日、日米通算200勝を懸けた黒田の登板を勝利で飾れば、巨人に12ゲーム差をつけ、「11・5」を上回る。91年以来のVへ、歴史を塗り替えられればダメ押しになる。 (柳澤 元紀)

 ▽メークドラマ 95年ごろに巨人・長嶋茂雄監督が使い始めた造語で「(巨人が)ペナントレースで大逆転を演じる」の意味。96年の広島は長嶋巨人に最大11.5ゲーム差から逆転され優勝を逃した。巨人に勢いを付けたきっかけといわれるのが、11ゲーム差で迎えた7月9日の札幌での直接対決。2回2死無走者から9者連続安打され完敗した。広島は結局3位に終わった。

 ≪広島3連勝&巨人3連敗で≫広島が今季最多タイの13得点で巨人に大勝し、今季最多の貯金20。広島の貯金20は96年以来20年ぶり11度目で、7月12日は同年の7月3日に次いで早い到達となった。広島は最短で後半戦2日目の19日に優勝マジックが点灯。13日の巨人戦と18、19日中日戦に3連勝し、巨人が広島、阪神に3連敗すればM42となる。

 ≪65打点はトップの山田(ヤ)に7差≫新井(広)が3日のDeNA戦以来、今季3度目の1試合4安打。また1試合2本塁打は阪神時代の13年5月7日巨人戦以来3年ぶり。1試合2本塁打以上は通算21度目で、巨人戦はカード別最多の7度目。2本とも右方向に打ったのは初めてだ。これで今月は7試合で27打数16安打の打率.593、5本塁打16打点と絶好調。打点も65まで伸ばし、トップの山田(ヤ)に7差と迫った。

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