有原圧巻!防御率1位&ハーラートップ9勝 チームは13連勝

[ 2016年7月10日 05:30 ]

<日・ロ>7回を投げ終え、×マークを出しながらベンチに戻る有原

パ・リーグ 日本ハム4-0ロッテ

(7月9日 札幌D)
 スタミナは尽きていなかった。2―0で迎えた8回2死一、二塁。初めて二塁に走者を進められた日本ハム・有原はギアを上げた。代打・清田を150キロ直球で右飛に打ち取った。

 「きょうは真っすぐが一番良かった。力で勝負した」。防御率トップだった14年新人王の石川との投げ合い。同2位で昨季の新人王・有原は並々ならぬ決意を見せた。

 「最初から飛ばしていこうと思った。“初回は絶対3人で(打ち取る)”と決めていた」。有言実行だ。初回を3者凡退に抑え、勢いに乗った。4回には前回対戦で被弾したデスパイネにこの日最速の152キロを計測し、最後はフォークで空振り三振を奪った。身長は大谷より4センチ低い1メートル89だが、手のひらの大きさ(中指から手首まで)は大谷より1・5センチ長い21・5センチもある。直球はもちろん、指を挟んで投げるフォークもさえ「良いところで落ちてゴロアウトも取れた」と振り返った。8回3安打無失点でリーグトップに並ぶ9勝目。防御率も1・73で石川を抜き去り、リーグトップに躍り出た。堂々の2冠。チームを07年以来9年ぶりの13連勝に導いた有原に対し、栗山監督も「困ったら“原点投球(外角低め)”ができる直球がある」と称えた。

 初回から飛ばしたため「球が抜け始めた」と8回102球で降板を申し出た。それでも球威は最後まで衰えていなかった。原点は「ずっと走っていた」と振り返る広陵(広島)時代にある。通称「45秒」というメニュー。左右の両ポールと本塁を結んだ三角形のラインを45秒以内で走るルールで多い日で一日30本もこなした。入学から3年間走り続け「高校で球速が10キロ以上速くなった」。徹底した走り込みで下半身をつくり上げたことが、150キロ台連発の礎になった。前半戦最後の登板。「夏バテになったことがないので、夏が嫌ではない」と涼しい顔でプロ1年目だった昨季の8勝を球宴前に上回った。

 2位を争うロッテに連勝で1・5ゲーム差に突き放した。首位ソフトバンクも楽天に勝ち、5・5ゲーム差は変わらないが、13連勝の日本ハムには勢いがある。球団記録の14連勝が懸かる、きょう10日ロッテ戦の先発は大谷。有原はお立ち台で「あす(10日)は翔平がやってくれると思う」と力強く言い、本拠の札幌ドームを沸かせた。二刀流の怪物との二本柱に成長した2年目右腕は完璧な形でバトンを渡した。(柳原 直之)

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2016年7月10日のニュース