広島・誠也 藤浪カモってるV打 雲の上の存在から打率・375

[ 2016年7月9日 05:45 ]

<神・広>初回2死満塁、鈴木は藤浪から左前に先制適時打を放つ

セ・リーグ 広島8―2阪神

(7月8日 甲子園)
 もう「雲の上の存在」ではない。「神ってる」男が最初のひと振りで、同学年の右腕に勢いの違いを見せつけた。初回2死満塁。広島・鈴木は「直球で押しているのは分かっていたので、ファーストストライクから積極的にいった」と、藤浪の1ボールからの153キロ直球を振り抜く。打球は三遊間を破る先制の2点適時打となった。

 続く安部の4球目には三塁走者・ルナと重盗を成功させて3点目。相手のスキを突く走塁で大きなダメージを与えた。

 「今日は誠也でしょ。あのチャンスをモノにできなかったら、試合の流れは変わった」と緒方監督も絶賛した。今季の満塁での成績は9打数4安打1本塁打12打点。またも勝負強さを発揮した。

 高校時代から甲子園のヒーローだった藤浪に対し鈴木は聖地の舞台に立てなかった。しかし、急成長を見せる今季は2年ぶりの対戦となった6月24日の試合(マツダ)で、藤浪から初安打となる右越え三塁打。この日は6回にも「力まずに振り負けないように」と速球を左翼線へはじき返して二塁打。8回は死球。通算では8打数3安打、打率・375と優位に立った。

 それでも試合後の鈴木は謙虚だった。「雲の上の存在なのは変わらない。これからも挑戦者の気持ちです」。試合前には、月間で最も印象度の強いサヨナラ打を放った選手に贈られる6月の「スカパー!サヨナラ賞」を受賞。「最近は“神ってない”と思うので、つなぐ打撃を意識したい」と苦笑いで語った。まさに有言実行のV打だった。

 ▼広島・ジョンソン(7回2失点で、野村に次いでリーグ単独2位となる9勝目)反省は4四球。雨でタフな試合だったが、文句を言っても仕方がない。与えられた仕事をやるだけ。

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2016年7月9日のニュース