ハム止まらん12連勝 初回イッキ7点!首位ソフトBに5.5差

[ 2016年7月9日 05:36 ]

<日・ロ>初回1死一塁、先制2ランを放った陽は笑顔

パ・リーグ 日本ハム12―3ロッテ

(7月8日 札幌D)
 勢い止まらない!日本ハムは8日、ロッテを12―3で下し9年ぶりの12連勝を飾った。0―1の初回に打線がいきなり爆発。陽岱鋼(ヨウ・ダイカン)外野手(29)の10号2ランなど打者12人の攻撃で一挙7点を奪って逆転した。先発全員の14安打の猛打で大勝し、貯金は今季最多の15。ロッテと入れ替わり2位に浮上し、首位のソフトバンクとのゲーム差を5・5とした。

 札幌ドームに地鳴りのような歓声が響いた。神懸かり的な快進撃。14連勝した07年以来の12連勝だ。栗山監督は「(初回に先制される)難しい状況だった。基本中の基本のこと、やるべきことをみんなやってくれた」と納得の表情を浮かべた。

 1点を先制された直後の初回1死一塁。陽岱鋼が二木の139キロ直球を振り抜いた。ライナー性の打球は左翼スタンドに勢いよく飛び込む。逆転の10号2ランだ。「強い打球を打とうと思っていたけど、完璧だった」。これで打線が一気に活気づいた。レアード、谷口が連続適時打でつなぎ、岡が右犠飛、西川は中前へ2点打を放った。打者12人の猛攻で一挙7点を奪った。初回の7得点は球団では00年9月10日のオリックス戦(神戸)以来16年ぶり。小笠原(現中日2軍監督)、片岡(現阪神打撃コーチ)、オバンドー、ウィルソンら強打者が並んだ「ビッグバン打線」を再現した。

 ロッテの先発・二木には5月26日の対戦で6回1失点、8三振を奪われて黒星を喫した。厄介なのは低めに決まるフォーク。そして、タイミングを取りづらい独特のフォームだった。試合前ミーティングで首脳陣、スコアラーが「タイミングを決めて打つように」「(ストライク)ゾーンを上げて打つように」と指示を徹底。初回に放った6安打は全て真ん中より高めの直球だった。シンプルな思考法が猛攻撃を呼び込んだ。

 波に乗るチームの勢いはすさまじい。意外な男が爆発するから、なお強い。2回に左翼フェンス直撃の2点打を放った大野が、5回には左越え4号ソロ。7回にはバックスクリーン左へ自身初の2打席連続本塁打となる5号ソロを放った。1試合2発もプロ8年目で初めて。「自分自身が一番びっくりしている」。4打点はプロ1年目の09年以来7年ぶりで自身最多タイだ。今季から選手会長と主将を兼務する29歳は「7年間、何をしていたのかということ」と照れ笑いを浮かべた。

 今季3度目の先発全員安打で14安打12点を奪い、貯金は今季最多の15。2位に浮上し、首位ソフトバンクとのゲーム差を5・5に縮めた。それでも、指揮官は「全然、関係ない。必死になって(ソフトバンクに)食らい付いて、そこだけを目指して戦っていくだけ」と言い切る。9日は有原、10日は大谷のダブルエースがマウンドに上がる。この勢いはもう誰にも止められない。(柳原 直之)

 ▽2000年の日本ハム 2番に座る小笠原とオバンドー、ウィルソンの30発トリオを中心に、勝負強い片岡、野口らが強力打線を形成。チーム打率.278、771得点、177本塁打は、いずれもリーグ断トツで「ビッグバン打線」と恐れられた。本拠地は東京ドームで、監督は就任1年目の大島康徳監督。最終成績は69勝65敗1分け、優勝したダイエーに4.5ゲーム差の3位だった。

 ≪先攻逃げ切りパターン≫日本ハムが初回に大量7得点。07年5~6月の14連勝に次ぎ球団史上2度目の12連勝とした。日本ハムのイニング7得点は昨年9月20日西武戦の6回に7得点して以来。初回に限ると00年9月10日オリックス戦の7得点以来16年ぶりだ。12勝のうち先制点を挙げたのは10試合目。07年の14連勝時の9試合を上回っており、今回も得意の先攻逃げ切りパターンで連勝を伸ばした。

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