阪神ゴメス 127打席ぶり脱出弾!連敗も最下位も不振も、あ~スッキリ

[ 2016年7月8日 05:30 ]

<巨・神>3回2死一塁、右中間へ2ランを放つゴメス。投手・高木

セ・リーグ 阪神6―0巨人

(7月7日 東京D)
 主砲の復活弾で最下位を脱出!阪神のマウロ・ゴメス内野手(31)が7日の巨人戦(東京ドーム)で出場31試合、127打席ぶりの14号2ランを放った。2―0の3回2死一塁から右中間席へ待望のアーチ。5回にも左前適時打が出て計4打点を挙げた。6得点は30試合ぶりで、過去29試合で平均2・3得点に沈んでいた打線がやっと活性化。8日からの首位・広島(甲子園)との直接対決に弾みをつけた。 

 打った瞬間に確信した。久しぶりの感触を味わうようにゴメスはゆっくりと一塁へ踏み出した。右中間席へ飛び込んだ白球を見届け、悠々とダイヤモンドを一周。出迎えた金本監督と音が聞こえてきそうなほど力強く両手をバチンと重ねた。待ち望んでいた一発が、やっと飛び出した瞬間だった。

 「甘い球が来たら積極的に振っていこうと思っていた。打った感触も良かった。自分のスイングも、タイミングの取り方も、ボールとのコンタクトも良かったよ!」

 2―0の3回2死一塁。カウント1ボールからの高木の2球目、外角高めのストレートを見逃さずにフルスイング。試合前時点で通算4勝0敗、昨年はプロ初完封を許し、今季も2勝を献上していた天敵右腕をKOする特大弾。5月26日のヤクルト戦(神宮)で小川から放って以来、出場31試合、127打席ぶり。実に1カ月半ぶりの一発で、いずれも自己ワースト記録をストップした。

 交流戦で極度の不振に陥った。6月17、18日のソフトバンク戦(甲子園)では6打席連続三振を喫し、19日の同戦では、故障以外では来日後初めて欠場するほど深刻だった。「本塁打が出ていない時期は、そこまで気にしていなくて、しっかりタイミングを取ろうと考えていた」。金本監督、片岡打撃コーチらと下半身主導のスイングへ徹底的に取り組んできた。

 家族の存在も支えだった。休養日だった4日には夫人と2人の娘、来日中の弟と義妹の計6人で東京ディズニーランドへ。「カリフォルニアのディズニーランドは行ったことはあるけど、日本のは初めてだね。どれも乗った(アトラクション)のは楽しかったよ。一番はスプラッシュマウンテンだね。休日を家族としっかり、リラックスできたよ」。有意義な時間も自信を取り戻す要因の一つになった。

 5回1死満塁の第3打席でも左前適時打で今季2度目の1試合4打点。チームは30試合ぶりの6得点で、それまでの29試合で平均3点にも満たなかった打線を景気付けた。ヤクルトが敗れ、最下位から脱出。3連敗で止め、8日からの広島との直接対決にも弾みをつけた。首位の背は遠く、厳しい状況は続く。さあ、逆襲はこれからだ。頼れるG砲が、ついに目覚めた。 (湯澤 涼)

 ▼阪神・片岡打撃コーチ チームにとっても、ゴメスにとっても大きかった。フリー打撃の時から、下半身主導の練習をやってきた。上体でタイミングを取りたがるところがあって、それだと打球が上がらない。ゴメス本人が“こんなに振らなくても、あそこまで飛ぶんだ”と思ってくれたら。これをきっかけにしてほしい。

 ≪30試合ぶり6得点≫阪神が巨人に勝利。0・5ゲーム差で5位のヤクルトが敗れたため、チームは5日ぶりの最下位脱出で5位に浮上した。ゲーム6得点は5月28日の巨人戦(東京ドーム)の6―4以来30試合ぶり。当時25勝24敗3分けで2位だったチームは、以降29試合を平均2・3得点の貧打で9勝20敗と大きく負け越し、7月3日には今季初の6位に沈んでいた。

 ≪自力V残った≫チームはこの日の勝利で自力優勝の可能性を残したが、8日からの広島との直接対決3連戦では負けるか引き分けた時点で消滅。依然ピンチは続く。

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