ロッテ細谷 恥ずかし…早とちりV三塁打 スタンドイン確信も逆風が…

[ 2016年7月7日 05:30 ]

<ロ・西>7回2死一塁、細谷は勝ち越しの2ランを確信しベンチを指差すが打球はフェンス直撃の三塁打

パ・リーグ ロッテ5―4西武

(7月6日 QVCマリン)
 打った瞬間、ロッテ・細谷はベンチに向かって右拳を高く突き上げた。勝ち越しアーチを確信した。7回、同点に追いつき、なおも2死一塁で代打出場。追い込まれながら、武隈の直球を完璧に捉えた。

 しかし、打球は強烈な向かい風に押し戻されて左翼フェンスを直撃。慌てて三塁まで走った。決勝打のヒーローは「(スタンドまで)いったと思って、手を上げちゃいました」と照れ笑いを浮かべた。

 それだけ気持ちが高ぶっていた。前日は3打数無安打2三振。5回に見逃しで3球三振に倒れると、交代を告げられた。ベンチで伊東監督から「気持ちが出ていない。頭の中で勝負していないで、投手と勝負しろ!」と厳しく言われた。打撃フォームなどを考え過ぎて「勝負」ができていない自分に気づかされた。

 この日は6月10日のヤクルト戦(QVCマリン)以来18試合ぶりのスタメン落ちとなったが、監督のカミナリで吹っ切れていた。ここぞの代打起用に「気持ちを見せようと思った。追い込まれてズドンと(直球が)来る。変化球だったらしようがない」と、投手との「勝負」に勝ってみせた。

 今季22度目の逆転勝利。伝説のロックバンド「BOOWY」の大ファンで知られる細谷は、右翼席のファンに拡声器を向け「ライブハウスQVCマリンへようこそ!」と爆笑を誘った。お立ち台では決めぜりふ「サンキュー!」と絶叫。2日に発売した「HOSOYA」の文字が入ったタオルは500枚が即日完売。ファンはコンサート会場さながらにタオルを掲げ、球場を包む細谷コールは鳴りやまない。11年目で初めてのグッズを出し“ソロデビュー”した男は、喜びをかみ締めた。

 これで貯金を今季最多タイの14に戻し、試合がなかった日本ハムとゲーム差なしの3位。28歳の若武者は「みんなの力で勝ったのがうちの良さ。継続してやっていきたい」と誓った。幕張のロックスターのステージはまだ終わらない。 (渡辺 剛太)

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