ついに借金10…金本監督 怒りの円陣「9回2死満塁の気持ちで」

[ 2016年7月7日 06:17 ]

<巨・神>2回攻撃前、阪神・金本監督(中央)は円陣の輪の中でナインにゲキを飛ばす

セ・リーグ 阪神1―3巨人

(7月6日 東京D)
 笛吹けど踊らず…。阪神は6日の巨人戦(東京ドーム)に1―3で敗れて今季5度目の3連敗を喫し、借金は今季ワースト10まで膨らんだ。打線が9安打を放ちながらもあと一本が出ず、11残塁と拙攻。2回に異例の早さで円陣を組み、金本知憲監督(48)が「9回2死満塁くらいの気持ちで全打席行け」とゲキを飛ばしたが、残念ながら結果には反映されなかった。

 試合前のミーティングで相手先発・田口の直球を狙い、低めの変化球を捨てる方針を確認していた。だが…。先頭の上本は直球を2球連続で見逃し、内角低めのワンバウンドするスライダーで空振り三振。続く鳥谷は変化球で追い込まれ、外角高めのボール気味の直球に手を出して空振り三振に倒れた。覇気の見えない2人の三振に、金本監督の表情が変わった。

 「初回のあの2人(上本、鳥谷)の三振を見たら、分かるでしょ。終盤になって、やっと点を取るというパターンが多いから。もう最初から、1打席目から9回2死満塁くらいの気持ちで全打席行け、と。そうしたら、ああいう三振も起きないでしょ。そういう意味、そういうこと(を円陣で言った)」

 まだ試合が始まったばかりの2回表。その攻撃前に三塁側ベンチ前で円陣が組まれた。通常、打順が一巡した場合などに見られる光景が異例の速さで繰り広げられた。普段なら片岡打撃コーチが指示を与えるのだが、この日はそこも違った。指揮官自ら中央に立ち、怒りの形相で野手陣に厳しい言葉をまくし立てた。「気持ち」が見えなかったからだった。

 「選手にも何とかしようという気持ちが無い、ということはないと思うけど、それをどれだけ出すか。どういう気持ちで打席に立ったら良い結果が出るのか、どういう気持ちで打席に入ったらチャンスで打てるのか。それを自分で探さないと。まあメンタルコントロールというかね」

 決して、精神論ではない。メンタル面の準備不足と覇気の無さが歯がゆかった。体を鍛え、技を磨くだけでは足りないものがある。「心」の鍛錬も、試合に臨む上での重要な準備。その欠如を指摘し、改善を求めた。

 だが…。意を決した指揮官の行動も結果には反映されなかった。打線は9安打を放ち、2、3、4、8回と得点圏に走者を進めた。ところが得点は3回2死一、三塁から福留の二塁適時内野安打で挙げた1点どまり。特に4回無死一、三塁の無得点が試合の流れを変えた。勝負所であと一本が出ず、11残塁。指揮官の指摘するメンタル面の弱さも、拙攻の一因を占めているに違いない。

 今季5度目の3連敗を喫し、借金は今季ワースト10まで膨らんだ。「気持ち」で負けているようでは、浮上の日は遠い。(惟任 貴信)

 ▼阪神・片岡打撃コーチ (5打数無安打の上本に)もちろん、よーいどんという姿勢で、上本のああいう姿を期待したわけじゃない。凡打もあるけど、違う姿を期待した。5回打席に立ったけれど、これだけフライアウトが多いということを自分なり…ね。もう中堅なんだから。(局面で1本が出なかった敗戦に)チャンスは作るし、(打順の)巡り合わせもあるけれど、こういう展開が続くね。

 ≪2桁借金は4年ぶり≫巨人に敗れた阪神は今季初の借金10。チームの2桁借金は、和田前監督1年目の12年、借金20の5位に終わって以来4年ぶり。同年は今季より1試合遅い82試合目の7月17日に借金10到達。最大21まで借金を増やした。この日首位の広島も負けたため、阪神の自力Vの可能性は残った。ただし広島の試合がない7日も、阪神は巨人に敗れた時点で自力Vが消滅する。

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2016年7月7日のニュース