黒田 金沢で200勝だ!野茂以来快挙へ「偉大な投手に少しでも近づけた」

[ 2016年7月5日 08:45 ]

6日の登板へ向け調整する黒田

 日米通算200勝に王手をかけている広島・黒田博樹投手(41)が6日の中日戦(金沢)先発に向け“男気必勝宣言”した。「勝つということは、それはチームが勝つということなので、内容にこだわりはない」。節目の勝ち星といえども形を問わない。チームの勝利最優先という姿勢を崩さなかった。4日は、5日の中日戦が行われる富山市民球場アルペンスタジアムで調整した。

 大記録が懸かる一戦に向けての言葉の端々からも「男気」が漂う。黒田は自身の勝利よりもチームの勝利を一貫して優先してきた。今さらスタイルを変えるはずがない。

 「勝つということは、それはチームが勝つということなので、内容にこだわりはない。しっかりとしたピッチングをして結果的にそれが自分の勝ちにつながればいいかなとは思いますけど。(200勝は)正直なところ実感はまだない」

 大記録に挑む場所が地方球場の金沢でもベストを尽くすだけだ。本拠地・広島のファンに配慮しつつも、マウンドに立てば必死に腕を振る。

 「たくさんカープファンがいる地元のマツダスタジアムで投げることがいいのかなとは思うけど。やはりローテーションで回る以上はそういうことは言ってられない。まずはチームの勝利が優先なんで。それに関しては自分はあまり深く考えてない」

 金沢球場は両翼91・5メートルで、同91・4メートルの旧広島市民球場に似る。「行ってみないとわからないけど、昔の市民球場もそれぐらいだった」。狭い球場ながら、97~07年まで11年間プレーしたホームをほうふつさせるなら、むしろ好材料となるか。

 日米通算200勝は、近鉄やドジャースなどで活躍した野茂英雄以来2人目。「野球人として、まだまだ野茂さんには追いつけていないとは思うが、数字だけをみればそこまで来た。自分の中では感慨深い。偉大な投手に少しでも近づけたというのは、今まで野球やってきた中ですごくうれしいこと」。メジャーへの先駆者に肩を並べる話題には白い歯を見せた。

 今季は4月2日の巨人戦(マツダ)で広島復帰後初となる完封勝利など6勝を積み上げた。「いいときもあれば悪い時もありましたし、その中でしっかり自分のできる範囲の中で調整してなんとかここまで来られたかなと思う」。この日は富山市民球場でキャッチボールやポール間走で汗を流した。5月に首痛と右肩痛で出場選手登録を外れるなど道のりは平たんではなかった。山あり谷ありだからこそ充実感もある。歴史的瞬間は刻一刻と近づいている。(柳澤 元紀)

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