高梨11K鷹狩り!ハム右腕ではダル以来ソフトバンク戦2桁K

[ 2016年7月2日 05:45 ]

<ソ・日>7年ぶり8連勝し、ナインを出迎える栗山監督(左)と11奪三振の快投で4勝目を挙げた高梨(中央)

パ・リーグ 日本ハム5―2ソフトバンク

(7月1日 ヤフオクD)
 強敵だからこそ闘志を激しく燃やした。3年目。怖いもの知らずの日本ハム・高梨が圧巻の奪三振ショーを繰り広げた。

 「ソフトバンク打線が怖いのは分かっていたので、自分に負けないように上から見下ろすくらいの気持ちでいった」

 幕が開いたのは2回だ。先頭・中村晃を112キロカーブで空振り三振。ここから3者連続三振を記録すると、その後も4者連続を含め、自己最多11奪三振をマークした。

 最速146キロをマークし、7回5安打無失点で4勝目。「球速以上に直球を速く見せられたので、フォークも投げられた。カーブも凄く良かった」。6月15日のDeNA戦(横浜)で奪った自己最多6奪三振を大きく更新した。ソフトバンクから今季2桁奪三振をマークしたのは楽天・則本だけ。日本ハムの右投手では11年のダルビッシュ以来で、大谷も記録していない。

 今季の高梨は自身初の開幕1軍となったがチーム事情で中継ぎからスタート。4月1日のソフトバンク戦(草薙)でリリーフとしてプロ初勝利をマークするなど経験を積んだ。6月8日の広島戦(札幌ドーム)から先発に戻り、計3試合で2失点。栗山監督は「緊張感がある中で向かっていた」と無四球とストライクゾーンで攻めた姿を評価した。

 反骨心が高梨を支えている。山梨学院大時代に巨人で活躍した高橋一三氏から指導を受け才能が開花したが、千葉・土気時代は無名だった。「テレビで甲子園を見たら今宮(明豊)が154キロとか投げて、めっちゃ活躍していた。同学年だが自分にとっては雲の上の存在。この世界で名を上げて追いつきたい」。この日の対戦は3打数1安打だったが、実力を示すには十分な投球だった。

 これでチームは09年以来、栗山監督5年目で初の8連勝で首位に8・5ゲーム差となった。「自信になるし、チームにとっても初戦を取れてよかった」。ソフトバンクはまだ遠いが、高梨はその背中を見つめている。 (横市 勇)

 ◆高梨 裕稔(たかなし・ひろとし)1991年(平3)6月5日、千葉県生まれの25歳。土気では3年夏に3回戦敗退で甲子園出場はなし。山梨学院大では2、3年秋に最多勝。13年ドラフト4位で日本ハム入り。昨年5月3日のロッテ戦でプロ初登板初先発。今年4月1日のソフトバンク戦でプロ初勝利。1メートル87、85キロ。右投げ右打ち。

 ≪右投手ではダル以来5年ぶり≫高梨(日)が7回無失点で11三振を奪い4勝目。日本ハムの投手がソフトバンク戦で2桁奪三振は、12年8月31日に吉川が7回1/3で10三振を奪って以来。右投手では、11年にダルビッシュが7試合でマークして以来5年ぶりになる。なお大谷は2桁奪三振が通算22度あるが、ソフトバンク戦は14試合に先発して3度の9奪三振が最多。

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