広島・野村はリーグトップ9勝!不振やケガから巻き返した男たち

[ 2016年7月1日 10:30 ]

リーグトップの9勝を挙げている広島の野村

 オールスターゲームが近づき、ほとんどの球団が70試合を超え、シーズンの折り返しを迎える。シーズン当初からここまで継続した活躍をしていれば、一過性のものではなく、「復活だ!」と言っても過言ではないだろう。不振やケガで結果を残せなかった悔しさをバネに、今季、見事に復活した選手たちを紹介しよう。

◎狙うはFA移籍!? 糸井嘉男

 2015年に主将としてシーズンに臨んだものの、レギュラーとして試合に出場するようになった2009年から続いていた打率3割が途切れてしまった糸井嘉男(オリックス)。チームも糸井の成績と同じように2014年の2位から下降して5位に終わった。

 その糸井が開幕から好調だ。開幕戦から13試合連続ノーアーチという不名誉なチーム記録に終わりを告げる一発を放つと、以降は打率3割付近をキープ。2014年のシーズン終盤からケガが絶えなかったが、今年はすでに23盗塁と、元気に走れているのが大きい。

 そして、糸井は今季のはじめにFA権を獲得した。自身最後の“売りどき”にアピールをしているのだろうか。「宇宙人」とも呼ばれる糸井がそこまで考えているのかは不明だが、真相はいかに? 答え合わせは今シーズンオフだ。

<2015年成績>
132試合/打率.262/17本/68打点/11盗塁

<6月30日現在成績>
69試合/打率.298/9本/41打点/23盗塁

◎楽天日本一の原動力が復活! 岡島豪郎

 2013年の後半にブレイクしてレギュラーを掴んだ岡島豪郎(楽天)。しかし昨季は開幕から不振で2軍落ち。ケガの影響もあり、秋口まで1軍では出番がなかった。

 その岡島が今季は復活。開幕戦で4打数4安打を記録すると、途中ケガで離脱があったものの、楽天のリードオフマンとして好調を維持していた。

 俊足ではあるが、盗塁失敗が多い点は玉にキズ(6月30日現在:7盗塁8盗塁死)。また、オコエ瑠偉を1番で起用したい、そして、岡島の得点圏打率が4割超という数字も踏まえて、6月12日以降は「5番・岡島」という形が多い。リードオフマンかポイントゲッターか、岡島の適性はいかに!?

<2015年成績>
41試合/打率.168/1本/13打点/7盗塁

<6月30日現在成績>
63試合/打率.298/2本/23打点/7盗塁

◎マエケンの穴を埋める! 野村祐輔

 野村祐輔(広島)は、ここ2年、規定投球回にも達せず負け越しが続き、昨年はプライベート面の印象のほうが目立ってしまった。「防御率1.98での新人王はフロックだったのか?」などの声が挙がっていたものの、今季、見事に復活した。

 同級生の菅野智之(巨人)が圧倒的な投球を見せるなか、野村も四球が少ないテンポのいい投球を披露。多くの援護点をもらい、30日現在リーグトップの9勝を挙げており、前田健太(ドジャース)の穴を埋めている。

 復活の秘訣は黒田の存在だという。野村は黒田と同じようにプレートの踏む位置を三塁側から一塁側に変更したのだ。これによって右打者のインコースへシュートを投げやすくなった。黒田同様、“攻める姿勢”が今シーズンの好成績につながっているのだ。

<2015年シーズン成績>
15試合/5勝8敗/87.1回/51奪三振/防御率4.64

<6月30日現在成績>
13試合/9勝2敗/81.2回/42奪三振/防御率2.42

 チーム力のアップはドラフト、トレード、新外国人獲得だけではない。不調だった選手の復活も立派なチーム力のアップに繋がる。“◯◯の復活が最大の補強!”とはよくいったもので、野村の活躍もあり、広島は2位・巨人に9ゲーム差をつけて、セ・リーグトップをひた走る。(オリックスと楽天は下位に沈んでいるが……)

 不振だった選手の復活はファンとしても嬉しい。こういった復活劇を自身に重ねてみてはいかがだろうか。まだまだ俺(私)もいける! と勇気が湧いてくるだろう。(『週刊野球太郎』編集部)

続きを表示

2016年7月1日のニュース