サヨナラ打なのに…ヤク 三輪いじり 同僚誰も来ず「俺だよ!」

[ 2016年6月27日 05:30 ]

<ヤ・中>延長11回1死満塁、三輪がサヨナラ中前打を放つが、駆け寄ったのは雄平(右)と坂口だけ。後につづかないナインに「俺アピール」をする三輪

セ・リーグ ヤクルト5―4中日

(6月26日 神宮)
 サヨナラ打を放ち、一塁を回った。ヤクルト・三輪が振り返ると、走り寄る同僚は誰もいない。本塁付近にできた歓喜の輪に向かって叫んだ。

 「俺!俺だよ!」。仕方ない。ヒーローは自ら輪に加わった。プロ9年目の32歳。いじられキャラは、お立ち台で「そんなに期待されていないと思った」と言って、ファンの笑いを誘った。

 4―4の延長11回1死満塁。代打で出場した打席は6月9日以来だった。2球目から4球続いた田島のフォークを中前に打ち返した。「狙って打てる打者ではないので気持ちで打った」。5月8日に長女が誕生したばかりの新米パパは3年ぶりの劇打に胸を張った。

 9回に3点差を追いつかれ、延長戦に突入する悪い流れを吹き飛ばし、今季2度目の同一カード3連勝を飾った。「主役にはなっていない。最後に出てバットに当たっただけ」。謙虚な姿勢を崩さなかった三輪だが、クラブハウスに引き揚げるとさらなる祝福が待っていた。衣笠球団社長兼オーナー代行ら球団幹部の面々からペットボトルの水を掛けられた。史上初?の出来事に「うれしい。球団の歴史に名を残せました」と満面の笑みを浮かべた。 (町田 利衣)

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