あと1球から暗転…阪神・岩貞 無念の涙 9回同点打浴び降板

[ 2016年6月27日 05:30 ]

<広・神>9回2死満塁、岩貞はあと1人で同点に追いつかれ降板し、涙する

セ・リーグ 阪神3―4広島

(6月26日 マツダ)
 直視できない現実が阪神・岩貞を襲った。1点リードの9回2死満塁。1ボール2ストライクから6球目のチェンジアップを会沢に捉えられた打球は無情にも三遊間を抜けていった。

 「あと1球」で今季2度目の完投勝利を手にしていたはずが、痛恨の同点打。3日の西武・メヒア、19日のソフトバンク・城所にともに満塁本塁打された満塁機で再び痛打され、降板後はベンチでうなだれ、目を真っ赤にした。

 「チームがこの1点を守り切る、というところで踏ん張り切れなかった。チームに申し訳ない」

 8回まで1安打2失点、球数も98球と完投ペースで9回に突入した。だが、先頭の丸に左前打されるなど2安打1四球で1死満塁。下水流をフルカウントから内角直球で見逃し三振に斬ったが、会沢に今季、右打者を封じる宝刀だったチェンジアップを4球続けたところを打たれた。

 「やることをやらないと、最後ああいうことになってしまう。9回だけ見ると、あそこで粘れば、というところだけど、それまでの流れで相手にいけると思う雰囲気を漂わせてしまった。そういうことも含めて、一つも二つも成長しないといけないと改めて痛感させられた」

 溜まった涙をすべて流し切ったのか、試合後は気丈に報道陣の問いかけに応じた。3試合で2敗を喫するなど精彩を欠いた交流戦を終え、心機一転、プロ初完封を飾った5月27日巨人戦以来の白星を狙ったが、幻となり自身も黒星が先行する5敗目(4勝)を喫した。

 「(次回登板までの)1週間で心身共にゲームに臨めるようにしたい」

 怒り、悔しさ、ふがいなさ…。一日で味わった様々な感情は必ず成長への糧となるはずだ。次こそ、最後までマウンドを守り抜き、思い切り笑って見せる。 (遠藤 礼)

 ▼阪神・香田投手コーチ(岩貞について)8回までの投げっぷりを見てると(9回も)迷いなく続投だった。(同点打の会沢には)4球続けたチェンジアップのどこかで直球を挟むとかね。最終的に(決め球は)チェンジアップになるんだからね。

 ≪満塁が苦手≫岩貞はこの日3度の満塁機で2打数1安打1犠飛で2失点。5回の田中と9回の会沢に2度同点打を浴びた。今季は6月3日のメヒア(西)と19日の城所(ソ)に満塁弾を被弾。シーズン被打率.196、得点圏で.218に対して、満塁では11打数4安打の.364。失点は両リーグワーストの13と苦手にしている。

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2016年6月27日のニュース