阪神・中谷プロ初猛打賞「3本目は記録になるんですか?ヨシッ!」

[ 2016年6月25日 07:53 ]

<広・神>9回表無死、中谷は豪雨の中、左前打を放ち猛打賞

セ・リーグ 阪神2-4広島

(6月24日 マツダ)
 試合後、阪神の中谷はバスへと続く道で関係者に「あの3本目は記録になるんですか?」と確認し正式記録として残ることを伝えられると、思わず「ヨシッ!」と喜びを隠せなかった。不本意な形で敗戦を余儀なくされたが、灯した3度の「H」ランプは紛れもなく中谷が勝ち取った勲章だ。プロ6年目。首位を快走する広島相手に初の猛打賞を記録し気を吐いた。

 「(猛打賞に)良かったです。きょうは良い感じで打てました」

 昨季、チームが5度対戦し3勝を献上し一度も黒星を付けられずに打率・225と抑え込まれた難敵ジョンソン相手に、いきなり痛烈なパンチを見舞った。1点を追う2回2死一塁、左中間を深々と破る適時二塁打。19日ソフトバンク戦でプロ初打点を叩きだしたばかりの成長株が、また一つ、成長した姿を披露した。

 「北條が四球で塁に出ていたので、カウントを取りに来るだろうと思っていた。そこを思い切って打ちにいけました」

 1点を勝ち越した4回1死二塁では空振り三振も、7回無死の3打席目は、フルカウントから右腕ヘーゲンズの外角カットボールを中前に好打。2点を追う9回も先頭で中崎の直球を強振した打球は、遊撃手・田中のグラブをはじく内野安打となった。

 リーグ戦再開初戦でインパクトを残した背番号60。「常に必死の立場なので」と日頃から背水の精神を忘れない。20日のオリックス戦では先発したが3打数無安打。「(前回から)取り返したかった。きょうは結果が出て良かったです。次につなげます」とさらなる活躍を自身に課した。

 金本監督からも「中谷もよく結果を出した。チャンス(4回)で1本出なかったけどね。1試合良くて1試合悪かっただけでチャンスをあげないとなると育っていかないしね」と及第点以上の評価を与えられた。長いシーズンも折り返しに突入。巻き返しには、若い力も必要不可欠。『超変革』の新たな象徴として、急浮上の予感が漂う夜だった。(久林 幸平)

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2016年6月25日のニュース