金本監督 主力4人に鬼ノルマ!打率3割 育成だけじゃなく勝つんや

[ 2016年6月24日 06:21 ]

金本監督は室内練習場で素振りをする

 阪神・金本知憲監督(48)が23日、「一番上しか狙っていない」と大号令を出した。24日の広島戦(マツダ)でリーグ戦は再開。首位の広島から7・5差離れた4位での再スタートにも優勝奪回の大目標に揺るぎがないことを強調。若手育成との両立には主軸の奮起が不可欠とし、特に福留、鳥谷、西岡、ゴメスの4人には「打率3割」などのノルマを課した。

 目標は変わらない。変えるつもりは一切ない。甲子園球場で3日ぶりに実施した全体練習。夏を思わせる暑さの中で大汗を滴らせ、金本監督の言葉は熱気を帯びた。

 「若い選手を使ってるけど、育成メインとは思っていない。育成しながら勝っていく。それは最初に言っている。勝ちにこだわっているし、Bクラスでいいとか、これっぽっちも思ってない。一番上しか狙っていない」

 就任当初に掲げた『超変革』の旗印の下、開幕から未知数だった若手を積極登用。約半分の71試合を終えて借金4で4位に甘んじた。経験も実績も乏しい布陣。だからと言って勝敗度外視の育成など考えていない。頂点という不動の目標があるからこそ「そこを狙って選手もうまくなるわけだから」と語気を強めた。

 変革の道は半ば。ここから先を推し進めるには若手を引っ張る存在が欠かせない。特に得点力不足は課題で、総得点257はリーグ3位、チーム打率・242は同4位。7勝11敗で負け越した交流戦に限れば、総得点44は12球団最低、チーム打率・223は同11位、得点数は最下位。これらを踏まえれば期待の対象は自ずと決まった。福留、鳥谷、西岡、ゴメスだ。

 「野手では実績のある、この4人がやらない限りチームは機能しないと思っている」

 唯一人、規定打席を満たして打率3割を維持する福留以外は満足できる成績が残っていない。本塁打数もゴメスの13本がチーム最多で、鳥谷は5本、福留は3本。残り72試合へ向けた具体的なノルマを課した。

 「実績的には、そういう数字残しているわけだから。普通にやれば、野手は3割前後ね。孝介だったら本塁打20本ぐらいは、トリも15、16本は打ってほしい」

 7・5差という広島との距離にも悲観していない。むしろリーグ戦再開を直接対決で迎えることを歓迎した。「まだまだいくらでも取り返せるとも思っている。全然全然、なんてことない。ちょうどいい直接対決」。広島時代の96年には11・5差、阪神時代の08年にも13差を逆転された苦い経験を持ち、追われる重圧は身をもって知っている。だから、強気で残り半分をにらんだ。「波に乗ったら、このチームは強いと思う」。波に乗るかどうか。猛虎の命運を握る主軸4人の奮起を楽しみにした。 (山本 浩之)

 ≪鳥とゴメはペースアップを≫金本監督が指名した4選手のうち、現時点の規定打席(チーム試合数×3・1=220)を満たしているのは福留、鳥谷、ゴメスの3人。残り72試合をここまでの71試合と同じペースで出場するなら、シーズン規定打席(443)到達は確実だが、打率3割には目下.301の福留以外は鳥谷が現在より31安打、ゴメスは19安打の加算が必要となる。また西岡は規定打席到達へあと303打席。残り72試合すべてに出場しても1試合あたり4・2打席が必要と状況は厳しい。

続きを表示

2016年6月24日のニュース