光成弟が決意、兄と同じ前橋育英で頂点を「コーチャーで終わらない」

[ 2016年6月24日 10:30 ]

横浜を下し関東大会初優勝を飾り、前橋育英・佐藤(左端)と高橋(背番号14)は抱き合う

 先月、春季高校野球関東大会で初優勝した前橋育英(群馬)に、小柄ながら大きな声でチームを鼓舞する3年生の三塁コーチャーがいた。彼の名前は高橋亮成(りょうな)。13年夏の甲子園で、2年生エースとして全国制覇に導いた高橋光成(現西武)の弟だ。

 亮成は関東大会で控え二塁手として背番号14でベンチ入り。出場はなかったものの、三塁コーチャーとして的確な指示を出し、チームに貢献した。「県予選では想定外のプレーが起きたときに判断や予測が遅れたけど、関東大会では修正して(チームに)貢献できた」と振り返り、大声についても「普段の練習から出している。声でチームに元気を伝えられたらいい」と胸を張った。

 1メートル88、90キロの光成に対し、亮成は1メートル72、72キロと体格は全く違う。中学時代は捕手を務めていたが、高校で内野手に転向。兄の背中を追って前橋育英に入学したが、周囲からは「高橋光成の弟」として見られ、兄と比べられた。それでも、亮成は自分を見失うことはなかった。三塁コーチャーというポジションにも「10人目のレギュラーという気持ちで、しっかりやりたい」と誇りを持っている。

 亮成の高校最後の夏は7月10日、常磐戦を皮切りに始まる。「周りから“君はレギュラーじゃないの?”と言われることもあるけど、自分は自分なので、できることをチームのためにやりたい。もちろん、コーチャーで終わらないようにレギュラーを目指してやりたい」。まずは兄が足跡を残した聖地への切符を手にするため、群馬65校の頂点を目指す。(記者コラム・原田 真奈子)

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2016年6月24日のニュース