由規、剛球復活!支配下登録へ 2軍戦で5回8K最速151キロ

[ 2016年6月23日 05:36 ]

<イースタン巨・ヤ>5回無死一塁、由規は仙台育英の後輩の巨人・橋本到を中飛に打ち取る

イースタン・リーグ ヤクルト1―2巨人

(6月22日 ジャイアンツ)
 復活151キロ!右肩の故障から復帰し、育成選手から支配下登録を目指しているヤクルトの由規投手(26)が22日、イースタン・リーグ巨人戦に先発し、5回を3安打2失点(自責点0)に抑えた。衣笠剛球団社長兼オーナー代行(67)らが視察した中、最速151キロを記録し、8三振を奪った。今後の肩の具合が良好なら、球団は支配下選手登録の意向を伝える方針。剛腕が神宮の舞台に帰ってくる。

 真っ黒に日焼けした顔に笑みが浮かんだ。直球は最速151キロをマークし、5回2失点8奪三振の好投。真中監督、高津投手コーチ、さらに衣笠剛球団社長兼オーナー代行も視察した中での98球を、由規は「ホッとしました。85点ですね。理想に近づいている。気持ちも乗ってきて良い方向に向かっている」と充実の表情で振り返った。

 1軍で活躍中の選手も名を連ねた巨人打線を、全盛期を想起させる剛球でねじ伏せた。初回。橋本到に1ボール2ストライクからの4球目に151キロを記録。ボールとなったが、次は捕手のサインに首を振り、内角いっぱいの145キロ直球で見逃し三振を奪った。3回2死満塁のピンチでは脇谷を147キロの直球でバットをへし折り、一ゴロに仕留めた。

 10年には当時日本人最速の161キロをマークしたが、11年9月に右肩の腱板を損傷。患部の状態は一進一退で、13年に右肩のクリーニング手術を受けた。昨年1軍登板目前までこぎ着けたが、再び右肩痛が発症して計画が白紙に。昨オフに育成契約を結び、背番号は「11」から「121」に替わった。

 紆余(うよ)曲折を経た4年半で得たものも大きい。今年から習得に取り組んだ140キロ台のツーシームで打者のタイミングを外した。「故障していなければ試していなかった。直球、スライダーという軸があってステップアップできた」。岡本には変化球中心の配球で3打席連続三振。完全に手玉に取った。

 最下位に低迷する要因は先発不足が深刻な投手陣だ。チーム防御率はリーグワーストの5・12。この日の午前中に都内で開かれた株主総会では、投手陣再建への打開策を問う質問が相次いだ。衣笠球団社長は「(由規は)今日良い投球をすれば支配下選手として登録されます」とフライング気味に明言。会場はどよめいたが、由規は期待に応える快投で証明した。

 試合後、衣笠球団社長は「あまり言うなって言われているから」と苦笑いを浮かべたが、真中監督は「直球に力があるし、制球もしっかりできている。1軍で十分に通用すると思う」と合格点を付けた。右肩の状態に問題がなければ、近日中にも支配下登録される見通し。11年9月以来遠ざかっている1軍のマウンドへ。支配下選手70人目の由規が救世主になる。(平尾 類)

 ▼ヤクルト・高津投手コーチ リラックスして指に掛かった球は非常に良かった。1軍で戦えるレベルの球は投げていたと思う。

 ▼ヤクルト・小川シニアディレクター 肩の状態を明日、あさってに判断してから本人と話して決めると思う。

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