由伸巨人 数字では表せない反撃の糸口は…走者許しても負けない強さを

[ 2016年6月22日 09:00 ]

セ・リーグ与四球15傑と勝敗

 野球記者にも「あるある」が存在する。代表的な例が「調べると止まるノーヒッター」だ。担当チームの先発投手が無安打投球を続けている時に「無安打無得点達成なら誰以来で何人目、何年ぶりだっけ…」と記録を見返す。すると、その途端に初安打が飛び出すというものだ。

 新聞記事では欠かせない数字、記録。試合展開を見つつ、見出しに結びつく数字はないかと様々な資料を手にする。4月27日の阪神―巨人戦(甲子園)。坂本の2打席連続本塁打などで巨人が11―1で勝利したが、甲子園での2桁得点は07年9月19日以来9年ぶりだった。07年の試合の詳細を調べたら現役時代の高橋監督が3ラン。指揮官にその話題を振ったが、直接的なコメントはなく、ちょっぴりあきれたように「調べるの好きだよね」と笑われて終わった。

 交流戦を終え、数字を眺めてみた。巨人は交流戦前のチーム打率・240が交流戦期間は・262と上昇。一方で交流戦前にリーグ2位だったチーム防御率3・43が、交流戦期間は4・18で12球団ワースト2位。トータルで3・62になりリーグ5位となった。解決策へつながる数字は…。また数字をたどってみた。

 ローテーション投手で4勝6敗と波に乗れないのが高木。数字でも明らかだ。1イニングに許す走者を示す「WHIP」は1・37。つまり1回に許す走者が平均1・37人で、規定投球回以上の投手では、中日・若松の1・45に次ぐリーグワースト2位だ。さらに9イニング(1試合)に与える四球は阪神・藤浪の3・47個に次ぐ3・08個でこれもリーグワースト2位。9イニング(1試合)で許す本塁打は1・3本でリーグワーストだ。参考までに、エース菅野は以下の通り。WHIPは0・84、9イニングでの四球は1・32個でともにリーグ最少。9イニングで許す本塁打は0・35本でリーグ4位だ。

 だからといって「高木はダメだ」とは言わない。今回、一番に着目した数字は与四球と勝敗(=別表)だ。セ・リーグの与四球が多い15投手と勝敗を併記した。注目点は、負けが先行している投手。先発として起用された巨人の若手3投手はいずれも「負け越し組」なのである。ちなみに阪神・メッセンジャーは与四球とともに被安打もリーグ最多の91本。交流戦終盤に村田ヘッドコーチが「四球もヒットと一緒や」と投手陣の四球の多さを嘆いたが、「四球や走者を許す=負け」ではないはずだ。打線との兼ね合いもあるが、少なくとも「走者を許す=負け」にしない方法がないわけではない。では、どうすれば?

 走者を出しても粘る、動揺しない、開き直る…。具体的な数字をさんざん挙げておきながら、最後に「精神論」かと言わないでほしい。なぜならここまで巨人投手陣は「走者を出した」こと自体を、失敗と捉え過ぎるように見えるからだ。高橋監督は、一貫していつも言うではないか。「結果がすべて」と。走者を許しても失点しない、負けない強さ。数字を覆している投手が何人もいるのだから。(記者コラム=巨人担当・春川 英樹)

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