レッズ名物アナが語るイチロー ヒットキングは英雄ピートだ

[ 2016年6月17日 08:55 ]

レッズの名物実況アナウンサーのマーティ・ブレナマン氏

ナ・リーグ マーリンズ3―6パドレス

(6月15日 サンディエゴ)
 マーリンズ・イチローが「ピート・ローズ超え」を達成したことを、米球界はどう見ているのか。日米合算の数字には懐疑的な見解が一般的。ローズ氏の「お膝元」であるオハイオ州シンシナティで、野球殿堂入りしているマーティ・ブレナマン実況アナウンサー(73)に聞いた。 (奥田秀樹通信員)

 率直に言おう。シンシナティの人々にとって、「ヒットキング」はイチローではない。ピートだ。理由は単純に、記録の一部が日本のものだからだ。とはいえ、イチローを低く見ることは絶対にない。シンシナティは1867年にプロ野球が生まれた街で、人々は野球をよく知っている。偉大な選手には敬意を表する。イチローはサダハルオーのようにアジアを代表する偉大な選手だ。

 イチローは8月中旬にシンシナティ遠征がある。彼はア・リーグが長かったから、我々はあまり見るチャンスがなかった。だからこの機会にファンはワクワクしている。27歳でメジャーに来て、3000本に届こうとしているなんて信じられない。将来、間違いなく米国の野球殿堂に入る。

 1985年9月11日。ピートがタイ・カッブの記録を塗り替えた試合を私は実況した。野球には、絶対に抜かれないであろう記録があるが、タイ・カッブの記録もそうだと思っていた。ピートはホームの大観衆の前で初回に決めた。あの試合のことは忘れられない。野球賭博とか、フィールド外でいろんなトラブルがあったけど、ピートは今でもこの街の英雄だ。

 ◆マーティ・ブレナマン 1974年からレッズのラジオ中継の名物実況アナウンサー。地元シンシナティでは、テレビCMにもよく起用されてきた。85年にピート・ローズがタイ・カッブの記録を抜いた時にも実況中継していた。00年に野球殿堂入り。73歳の今も現役。

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