1部残留貢献、中大・伊藤が8回零封「開き直れた。秋は優勝したい」

[ 2016年6月16日 15:14 ]

<中大・青学大>8回無失点と好投の中大先発・伊藤

東都大学野球1、2部入れ替え戦第3戦 中大2―0青学大

(6月16日 神宮)
 東都大学野球の1、2部入れ替え戦3回戦が16日、神宮で行われ、中大(1部6位)が青学大(2部1位)を2―0で下し、2勝1敗として1部残留を決めた。青学大は4季ぶりの1部昇格を逃した。

 1部残留を決めた瞬間、中大ナインはベンチから飛び出した。グラウンド上で歓喜の雄叫びをあげ、抱き合って喜びを爆発させた。秋田秀幸監督は「感動してます。最後にやっと良い試合ができた」と目を潤ませ、「選手の残りたい気持ちが強かった。優勝したよりも嬉しいかも」とほほえんだ。

 3回2死二塁から相手の失策の間に先制。6回には1死三塁から指名打者の堀内寛人外野手(2年、県岐阜商)が右翼線二塁打を放ち、点差を広げた。投げては2014年センバツに出場した147キロ右腕・伊藤優輔投手(2年、都小山台)が8回3安打1四球で無失点と好投。9回は前日の2回戦で4安打完封した152キロ右腕・鍬原(くわはら)拓也投手(3年、北陸)が締めた。

 試合前に「神宮でやりたかったら勝て!」と選手を鼓舞した指揮官は「投手陣が頑張ってくれた。野手は少ないチャンスで点をとってくれた」と称えた。伊藤は「昨日、鍬原さんが完封して良い流れをつくってくれた。落ちてもしょうがないという気持ちで開き直れた」と安どの表情を浮かべ、「この経験はとても大きい。秋は優勝して歓喜を味わいたい」と先を見据えた。

 1回戦を落として崖っぷちに追い込まれたが、そこから底力を発揮した。今春リーグ戦で最下位に沈んだ後、制球に苦しんだ投手陣は何人もの中大OBから指導を仰ぎながらフォームを修正。伊藤もいままで左足を上げたときに止めていたが、止めずにそのまま流れで前に踏み出すように変え「体が突っ込まなくなった」と手応えをつかんだ。リーグ戦終了後には上武大、亜大、国士舘大とオープン戦を行い3連勝。良い流れで入れ替え戦に臨み、重圧をはねのけて勝ちきった。

 今春リーグ戦は1982年春以来の開幕8連敗を喫したが、秋田監督は「これで秋は暴れたい。一皮むけてくれれば」と雪辱を誓う。主将の松田進内野手(4年、国学院久我山)は「財産になりました。リーグ戦中からこれぐらいやっていれば良かった。凡事徹底という言葉がありますが、秋は素直に一からやっていきたい」と大学ラストシーズンへの覚悟を口にした。

続きを表示

この記事のフォト

2016年6月16日のニュース