T―岡田 大脱出弾 3戦連続零敗で6番降格も発奮「久しぶり」

[ 2016年6月16日 09:13 ]

<神・オ>8回無死、T―岡田は右越えに勝ち越しソロを放つ。投手・高橋

交流戦 オリックス5―1阪神

(6月15日 甲子園)
 連敗の鬱憤(うっぷん)を晴らすような一撃だった。同点の8回。オリックスのT―岡田は左腕高橋の直球を待っていた。5球目を振り抜いた打球は左打者殺しの浜風も関係なく右翼席へ一直線。「完ぺき」という一発で虎党を黙らせた。

 5日ヤクルト戦で2本塁打して以来、8試合ぶりのアーチ。この回4得点の猛攻の起点となり連敗を5で止める勝利を呼び込んだ。

 「真っすぐを力むことなく振ろうと思っていた。久しぶりの感覚でした」

 勝負は1球前に決していた。カウント3ボールから果敢に振った。ファウルになったが「0―3から振っていけたから」と福良監督。積極性が好結果を導くことをベンチも確信していた。ここまで13本塁打のうち、11本が右投手だったが、そんなデータも関係ない。「しっかり芯に当たれば、どの球場でも、どの方向でも入る」。心に迷いはなかった。

 3試合連続零敗で臨んだ一戦。その間に4番だった打順は6番まで降格した。自分のせいだと感じていた。7日中日戦で9回のサヨナラ機に併殺打。神宮で3連勝したチームの流れが変わったのを実感していた。「この空気を変えてやる」。その意気込みが試合を動かした。6回の代打モレルの適時打でチームの連続無得点は35イニングでストップ。二塁から激走したT―岡田は「タイミングはアウト。みんなの気持ちが送球をそらした」と照れ笑いした。失敗を恐れない前向きさが決め手だ。

 この日から糸井を1番にするなど大幅に打線を改造。負ければ今季ワースト6連敗となるところで期待の大砲が救ってみせた。それでもヒーローは試合後、三塁側ブルペンへと消えた。勝利の余韻はほどほどに素振りで汗を流した。まだまだオリックスはあきらめていない。 (鶴崎 唯史)

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