【吉村禎章の視点】巨人 送りバントも敬遠も想定内 意思統一された攻撃

[ 2016年6月16日 10:58 ]

<巨・楽>9回無死一塁、犠打を決める坂本
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交流戦 巨人3―2楽天

(6月15日 東京D)
 各打者の「準備」が、イニング前の時点でしっかりと整っていた。ベンチのサインが出る前から個々の役割を認識し、その通りの働きを見せる。それが、巨人の9回の攻撃だった。

 3番・坂本は、先頭の橋本到が出塁すれば「自分は送りバントがある」と思っていただろう。打率がリーグトップの主軸だが、終盤の1点を奪うために犠打はセオリー。ベンチと坂本の思惑は一致していた。そして1死二塁で長野。「次打者は阿部。勝負してくる」と考えた。初球はボール。一塁が空いているだけに四球が頭をかすめてもおかしくないが、2球目を打ちにいった。そこに強い「意思」が見えた。

 その長野がアウトに。「ならば、阿部敬遠で自分と勝負」。それが村田の思考だった。状況に応じて一手先の試合展開を読み、メンタル面も含めてきっちりと準備を整えて打席に臨む。各人の意思が統一されて、打線の流れをつくった。それが、最終的にサヨナラ勝ちを呼び込んだ。(スポニチ本紙評論家)

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2016年6月16日のニュース