【野村謙二郎の視点】広島、偶然ではない3連敗ゼロ 機動力で雄星を攻略

[ 2016年6月15日 10:15 ]

<広・西>6回、1死、エルドレッド(左)に本塁打を浴びた菊池

交流戦 広島3-2西武

(6月14日 マツダ)
 好投手は機動力で崩せという格言を広島が西武・菊池に対して実践した。150キロを超える速球で3回までに7三振を喫するなど、序盤は正直、手ごわい相手だと感じた。4回に左前打の丸が二盗を決めて最後は2死三塁から鈴木が左前適時打。5回にも田中が二盗。塁上からプレッシャーをかけ、いや無走者のときでも塁に出したら…と思わせることで良いバランスとリズムを少しずつ崩し、球のキレを失わせていった。6回にエルドレッドがそれまで空振りしていた速球を完璧に捉えた左中間へのソロは、その効果のたまものだと思う。

 結果的には菊池からは2得点だけだったが、決して調子が良くない現状の打線で一つの作戦を実行して攻略したナイスゲームだ。広島だけが今季12球団でまだ3連敗がない。それはこのような戦いができるためで決して偶然ではない。8回に赤松、9回にも菊池と初戦で今季最多の4盗塁を決めて、2戦目、3戦目の西武投手陣に対しても効果的に戦えるだろう。

 最後のコリジョンは現行制度では「セーフ」なのだが、そのルール的な部分、監督の抗議、ファンへの説明など、両チームと野球ファンをもう少し納得させるための改善点は少なくはない。(スポニチ本紙評論家)

続きを表示

2016年6月15日のニュース