株主も認めた若手起用 金本監督、超変革突き進む

[ 2016年6月15日 05:30 ]

<神・オ>勝ち星を挙げ、高山(右)を迎える金本監督

交流戦 阪神2-0オリックス

(6月14日 甲子園)
 5カードぶりの先勝。「久しぶりかな。初戦を取ったのは。初戦を取ったのもそうだけど、何より甲子園で勝てたことがよかった」。阪神の金本監督も久しぶりに相好を崩した。

 『超変革』再び―。そう思わせるタクトを振るった。まずは先発オーダーだ。西岡を初の先発外野で起用した。

 「やっぱり中堅、ベテランの力が必要なので、西岡をどこかで使いたかった。二塁守備のスローも少し不安があるみたいなので彼のわがままを聞いて(笑)。外野で使いました」

 それだけではない。1点優勢の7回1死二、三塁、打者・大和の場面ではカウント2ボールから就任後初のスクイズを企図した。「キレイに決めてほしかったけどね。何とかという気持ちで。いいタイミングだったけどね」。結果は失敗でも勝利への執念がにじみ出る采配だった。

 「チルドレン」も躍動した。2、7回には育成から抜てきした原口と、過去2試合6三振でも我慢強く使い続ける高山のバットが得点に絡んだ。金本阪神の良さが随所に光った一戦でもあった。

 出血覚悟で推し進める『超変革』はグラウンド外でも強い支持を得た。大阪市内で阪急阪神ホールディングスの定時株主総会が開かれた。例年なら厳しいチーム批判が聞かれる場ながら今年は様相が違った。

 最初にタイガースに関する質問をした男性株主は「超変革、素晴らしいと思います。昨年、一昨年はここで怖いことをおっしゃる人もいましたけど、今年は負けが目立ちますが、よくやっていると思います。若手を使って。私たちはこれを求めていました」と若手の積極起用にうなずいた。もう一人の男性株主も原口の抜てきを例に挙げて「若手を積極的に使っているのはうれしい限り。金本監督と掛布2軍監督の連携がうまくいった。素晴らしい」と称えた。

 猛虎を変える―。金本監督の「覚悟」は、株主にも伝わっていた。千里の道も一歩から。まずは5割復帰へ、一歩前進した。(惟任 貴信)

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2016年6月15日のニュース