阪神・能見、呼吸困難だった…異変抱えながら魂の5回零封

[ 2016年6月15日 05:41 ]

<神・オ>勝ち星を挙げた能見は、最後はナインと笑顔でハイタッチする

交流戦 阪神2-0オリックス

(6月14日 甲子園)
 阪神・能見篤史投手(37)が14日のオリックス戦(甲子園)で体調に異変を抱えながら5回を3安打無失点に抑える熱投を演じた。試合後に金本監督が「呼吸困難だった」と明かした緊急事態の中、先発投手としての責任投球回を投げきる意地の力投。21日ぶり4勝目、今季交流戦での初勝利を挙げた。ベテラン左腕の奮闘で関西ダービー初戦を制した。

 「異変」は第1球を投じる前に起こっていた。試合開始直前、プレーボールの声を待つだけだった能見は一度、ベンチへ引き揚げた。時間にしてわずか数秒で再びマウンドへ戻った。投球直前に水分補給を行うための“タイム”だったようだ。

 試合後、本人は「いろいろあるんですよ」と詳細について明かすことはなかった。一方で、金本監督は少なからずアクシデントが起こっていたことを示唆した。

 「ちょっとね、立ち上がり、体調がおかしいのかなと思ったけど。呼吸困難?何かな?ちょっと呼吸が何かね…。酸欠になったのか、分からないけど」

 体調不安は投球にも表れた。初回2死から糸井にストレートの四球を献上すると厳しい表情を浮かべ、その場で屈伸する仕草を見せた。2回には2死から奥浪、若月、さらに投手の西にまで3連打された。まさかの満塁の窮地。何とか杉本を遊ゴロに退けた。

 3者凡退に抑えたのは3回だけ。4回も四球から二塁に走者を背負い、5回も再び微妙な制球が決まらなかった。2死一塁から粘られた糸井を歩かせ、中島にはストライクが1球も入らず連続四球。2度目の満塁危機に立たされ、“最後の力”を振り絞った直球でT―岡田を遊ゴロに抑えた。

 文字通り最後の1球になった。5回終了時点で99球。続投してもおかしくない状況で救援陣に後を託した。異変を間近で見ていた金本監督は力を尽くした力投をたたえた。「何とか5回行ってくれてよかった。能見に勝ちが付いたのがね。いい投球をしても、なかなか勝ちが付かなかったので」。交流戦を締めくくる6連戦の初戦。5回を投げ抜き、先発投手として最低限の役割を果たした。

 昨年6月14日の対戦で投げ合い、4回2/3、6失点の炎上で黒星を喫したオリックス・西とのリマッチも制し、関西ダービー先勝に貢献。今季3試合目にして交流戦初勝利も手にした。

 「一つ勝つのは大変なので良かった。中継ぎが頑張ってくれて助けてもらった。ゼロに抑えられた良かった。そこ(粘れた)が一番」

 試合後は淡々とした表情で普段通り報道陣の前に姿を見せた。積み上げた経験と不屈の闘志で難局を乗り切った。5月24日のヤクルト戦(神宮)以来、3試合21日ぶりに手にした白星は37歳になったばかりの男の意地とプライドが詰まっていた。(遠藤 礼)

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