黒田 イチから刺激「バリバリやられている姿を見ると…」

[ 2016年6月14日 05:55 ]

次回のオリックス戦先発に備え、全力ダッシュで体をいじめ抜く広島・黒田

 広島・黒田博樹投手(41)が13日、マーリンズ・イチロー外野手(42)の活躍に気持ちを奮い立たせた。尊敬する先輩であり、ヤンキース時代の戦友は、ピート・ローズの歴代最多4256安打まで日米通算であと4本に迫る。「バリバリやられている姿を見ると、ボクもまだまだ頑張らないと」。自身は日米通算200勝まで残り2勝。6月中の達成に期待大だ。

 待望の41日ぶり白星から3日後、黒田は次のマウンドへ向けて調整に努めた。ジョンソン、野村、戸田とともに参加したマツダスタジアムでの投手練習後、大記録が目前に迫るイチローの話題を振られ、慎重に選んだ言葉に最大限の敬意を込めた。

 「あそこまで行くと、ボクが簡単にコメントするのは失礼。レベルが違いすぎるし、変にコメントすると(言葉が)軽くなる。ただただ、スゴい…と言うしかないです」

 日米通算で4252安打を放ち、ローズが持つメジャー歴代最多記録まで残り4本に迫ったイチロー。歴史を塗り替えるXデーが間近に迫り、残り26本となったメジャー通算3000安打の偉業達成も時間の問題だ。無論、黒田も注視する。

 「時間があれば(メジャー)中継を見るし、たまにメールもさせてもらう。(大記録が)楽しみというか、いちファンとして見ています」

 ヤンキース時代の2年半、一緒に汗を流した2人は固い絆で結ばれる。黒田が14年オフに広島復帰を決断した際には真っ先に報告し、イチローがマーリンズ移籍を決めた昨春も会話したという。野球に取り組む真摯(しんし)な姿勢を間近で見て来たからこそ、42歳に心を揺さぶられる。

 「年は一つ上ですが、あれだけバリバリやられる姿を見ると、ボクもまだまだ頑張らないといけないと思いますね」

 自身の大記録達成も秒読みに入った。10日の楽天戦(コボスタ宮城)で今季5勝目、日米通算198勝目を挙げ、大台まで残り2勝。王手を懸けるべき次回登板は17日、本拠地でのオリックス戦だ。昨年5月29日の対戦(京セラドーム)では7回途中まで2失点に抑え、同カードで初勝利。日米40球団目の勝ち星となった。

 「DHの有無で打者へのアプローチは変わるけど、いい打者はどこのリーグでもいい打者。やることは変わらないです」

 イチローと黒田。米国と日本の野球史に、スゴい男たちの名前が間もなく刻まれる。(江尾 卓也)

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2016年6月14日のニュース