【広澤克実の視点】阪神、大谷との対戦を収穫に 「残像」忘れるな

[ 2016年6月13日 11:03 ]

<日・神>2回表1死、原口は二飛に倒れる(投手・大谷)

交流戦 阪神0-6日本ハム

(6月12日 札幌D)
 日本で一番速い投手を急場しのぎで攻略するのは難しい。本拠地・甲子園でマシンなどを使って160キロに近い球を目慣らしして来たならともかく、千葉からの移動ということもあり、阪神はスケジュール的にも恵まれなかった。

 ただ、週明けのオリックス、ソフトバンクと続く甲子園6連戦に向け、大谷と対戦したことによる「恩恵」や「副産物」があるはずだ。人間には脳に記憶する能力がある。最速163キロなど160キロ台の速球を体感したことで150キロ台の速球は遅く感じ、140キロ台中盤のフォークを見たことで140キロ前半の変化球はキレが悪い球に見えるはず。速球、変化球ともに反応しやすくなる。

 各打者の状態も一時の底から脱し、上がってきている。とりわけ、鳥谷は確実に良くなっている。4回無死からの第2打席で大谷の内角低め157キロを力負けすることなく引っ張って右前打したことに見られるように、スイング自体が力強く、振れてきた。

 目を見張ったのは四球を選んだ6回の3打席目。フォーク、スライダーをしっかりと見極め160キロもファウルした。技術的には右足が地面に付いた時の姿勢が良くなり、ボールとの距離がしっかりと取れるようになったことが「強い振り」と「見極め」につながっている。

 福留、西岡も良い状態にある。チームを上昇させていくためには、ベテランが力を発揮することが大前提で、高山、原口、北條ら若手の活躍はプラスアルファだ。

 攻撃陣に関しては大いに期待できる交流戦残り6試合だが、一つ、忘れてならないこともある。人間は忘れる能力もあり各打者が「この日の残像」を絶対に忘れないこと。打席に入った時に「記憶」を引っ張り出せれば、好結果につながるはずだ。(スポニチ本紙評論家)

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