“MLB最小男”今季2桁本塁打&2桁盗塁を達成した最初の選手に

[ 2016年6月9日 09:05 ]

アストロズの二塁手・アルテューベ(AP)

 公称の身長は現役大リーガーで最も低い1メートル68。実際は1メートル65とも言われる。その男が屈強な体格の選手がそろった最高峰のリーグで本塁打を量産している。アストロズの二塁手・アルテューベが、6日のレンジャーズ戦で右越えに今季10号を放ち、今季「2桁本塁打&2桁盗塁」を達成した最初の選手となった。

 打率・341で首位打者に輝いた14年には、09年のイチロー以来となる225安打をマーク。14年は最多安打、最多盗塁(56)、首位打者の3部門を同一シーズンに獲得したのも01年のイチロー以来となった。昨季(200安打)と合わせて2年連続200安打以上を放つバットコントロールと、昨季まで2年連続で盗塁王を獲得した足には定評があった。

 ところが、メジャー6年目の今季はそこに長打力も加わった。試合前の打撃練習を見ていても「小さな体がハンデだとは思わない」の言葉通り、とにかく体を目いっぱい使ってフルスイングする。次々と柵越えを放つ思い切りのよさに感心した。本塁打の方向別でも左翼の5本が最多だが、逆方向の右翼が3本、左中間、右中間がそれぞれ1本と逆方向への一発も目立つ。自己最多の15本塁打をマークした昨季は左翼が11本、左中間が4本だっただけに、今季は長打力でも進化を遂げている。

 アルテューベはベネズエラ生まれの26歳。中南米の野球に精通した関係者によると、「指導者は子供の頃からとにかく思い切り振らせて、三振しても怒らない」という。勝負はある程度、度外視して選手の能力をいかに伸ばすかに重点が置かれている。「外国人は体格が大きいからパワーが違う」という理由ももちろんあるだろうが、体が小さいから長打を捨てるというのは、アルテューベの打撃を見ていてこれまでの考え方を改めるべきだと思った。

 日米の野球を見ていて感じるポイントの1つは打者の振る意識の違い。小さい頃からしっかり振る習慣が身についていれば、アルテューベのような小柄な選手でも長打を放つことができる。7日(日本時間8日)時点でのアルテューベの長打率・550はア・リーグで7位。6位(・555)の14年本塁打王クルーズ(マリナーズ)とひけを取らない数字だ。

 ステレオタイプを覆されたアルテューベの打撃。14年の日米野球で来日した際に彼に注目した野球少年も多いだろう。今後も思い切りのよい打撃で、ファンを魅了してほしい。(記者コラム・東尾 洋樹)

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