山田“3冠弾”で連敗脱出ヤ 19号!48打点!15盗塁!

[ 2016年6月9日 06:05 ]

<楽・ヤ>7回1死一、三塁、山田が左越えに3ランを放ちベンチに迎えられる

交流戦 ヤクルト10―3楽天

(6月8日 コボスタ宮城)
 試合後。笑顔なく、淡々と振り返るヤクルト・山田の表情には貫禄が漂っていた。「(バットの)先っぽでした。ファウルになると思ったけど打球が伸びた。(打球に角度がつくのは)意識していないけど自然に出ている。良い傾向ですね」

 高度な打撃技術が凝縮された一撃は4点リードの7回1死一、三塁。安楽の内角に食い込む139キロの直球に反応した。左肘を抜き、体の中心軸をこまのように鋭く回転させて振り抜く。ラインドライブせず、高々と舞い上がった打球は左翼ポール際に飛び込んだ。2位の同僚バレンティンに4本差とリーグトップを独走する19号3ラン。杉村チーフ打撃コーチも「よく分からないけど凄いな」と形容する言葉が見つからないほどだった。

 体調は万全でない。春季キャンプから腰の張りを感じ、シーズン中も練習の合間に腰に手を掛ける姿が度々見られる。「今年はずっと(腰が)良くないんですよね…。(痛み止めの)注射は嫌だからやってないけど」と表情を曇らせていた。就寝前は「明日打てなくなったらどうしよう」と毎晩のように不安がよぎる。だから、今の成績にも浮かれることはない。

 打点もこの日、阪神・ゴメスを抜いてトップに立ち、6回に二盗を決めた15盗塁と合わせて目下「3冠」だ。チームは6連敗でストップ。真中監督は「1つ勝つことが難しい。山田は追加点が欲しい場面で効果的な3ラン」と称えた。

 まだ借金は9。「波があるのでこれから下がっていくのは考えられる。そこで修正して欠かさず(早出のティー打撃で)ルーティンを続けたい」と山田。チームの浮上のために、不動の3番打者は打ち続ける。(平尾 類)

続きを表示

2016年6月9日のニュース