阪神 メッセ1カ月ぶり5勝目 “代打・おかわり”で「火がついた」

[ 2016年6月5日 08:45 ]

<神・西>ヒーローインタビューで肩を組むメッセンジャー(左)と福留

交流戦 阪神5―1西武

(6月4日 甲子園)
 長いトンネルを抜けた。先発したメッセンジャーは、7回6安打10奪三振1失点で5月5日の中日戦(ナゴヤドーム)以来、約1カ月ぶりとなる5勝目をマーク。パ・リーグ屈指の強力打線を力でねじ伏せた。

 「今日はすべての球種を思ったところに投げることができたね」

 前夜、抜群の安定感を誇っていた岩貞を9失点KOするなど12得点で自軍投手陣を叩きのめした西武打線を沈黙させた。2回はメヒア、浅村に連続四球を献上して無死一、二塁とされながら、森、鬼崎を得意とする縦に落ちるカーブ、炭谷はフォークで空を切らせる3者連続三振。常時140キロ台後半を計測した直球はもちろん、変化球のキレ味も冴え渡った。

 強打者とのしびれるマッチアップも制した。唯一の踏ん張りどころとなったのは7回。2死一、三塁で秋山に遊撃強襲の適時打を浴びて3点差とされたところで相手ベンチはとっておきの代打・中村を送った。

 「良いバッターが出てきて火がついた。良いバッターに向かっていくのが自分のスタイル。(ピンチで中村が出てきて)より火がついたね」。直球2球で追い込むと、4球目のカーブで空振り三振に退け、白星をたぐり寄せた。

 “美しすぎる肘”が、自慢だ。中4、5日と短い登板間隔を歓迎し、12年からは4年連続で190イニング以上を投じても、来日1年目から故障とは無縁の投手人生を送る。昨年、シーズン終了後に日本の病院で検査を受けた際も、担当医を「こんなきれいな肘を見たことがない」と驚かせた。

 「今まで故障はほとんどしたことがないね。マイナー時代に1度ぐらいかな。やるべきことはしっかりしているから」

 豪快な投球スタイルとは対照的に肩、肘のケアに時間を割く。登板翌日には遠征先でも街に繰り出してジョギングを行って、疲労を抜いている。 「(交流戦で好調なのは)自分でもよく分からない。分かるならセ・リーグ相手にもやりたい」

 昨年、3試合計24イニング無失点だった交流戦で今年も息を吹き返した。白星街道を快走する号砲を打ち鳴らした。(遠藤 礼)

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2016年6月5日のニュース