阪神・福留 気分よく3安打 ナイター翌日デーゲームで練習短縮

[ 2016年6月5日 05:30 ]

<神・西>ヒーローインタビューで肩を組むメッセンジャー(左)と福留

交流戦 阪神5―1西武

(6月4日 甲子園)
 阪神の福留孝介外野手(39)が4日の西武戦(甲子園)で初回に先制&決勝の右前適時打を放った。3回に中前打、4回にも右前打で5月24日のヤクルト戦(神宮)以来となる今季3度目の猛打賞。日米通算2000安打へ、残り18本に迫った。ナイター翌日のデーゲームはこれでもまだ4勝7敗だが、ベテランが導いたこの日の1勝でチームの課題も克服できそうだ。

 前夜12失点の屈辱をベンチでかみしめた男が、3度の快音で鬱憤(うっぷん)を晴らした。3日の同戦を休養で欠場した福留が、今季3度目の猛打賞。自然と充実の表情が広がった。

 「(初回の適時打は)1、2番がつながったところで、そこで何とかしようというのがあった」

 初回、鳥谷と北條の連打で無死一、二塁で1ストライクから低めの直球を右前に運んだ。「良いところに飛んでくれたね」。先制&決勝の適時打は2日の楽天戦から出場2試合連続打点。3連打でつながった鮮やかな速攻劇に一塁上で何度も手を叩き、感情を表した。

 日米通算18年目、39歳。金本監督からは起用法に配慮されている。交流戦のビジターではDH出場の可能性が高く、移動試合では休養日に充てられることも少なくない。その分だけ結果を残そうと必死だ。「移動試合は配慮してもらってね。今日はその分、集中して試合に入れた」

 午後2時開始で行われたこの日、首脳陣は選手全員の試合前練習を軽減させた。ナイター翌日のデーゲームはこの日勝ってもまだ4勝7敗と苦戦中。超変革のもと走塁や守備で全力プレーを徹底させており、疲労も蓄積されてくるころだ。練習開始時刻を通常よりも20分遅らせ、早出特打も行わず、約1時間のフリー打撃のみのメニュー。バットスイングに鋭さを感じなかったための応急処置だった。

 効果はてきめんで2、4、5、5、5、15、4と続いていた同条件の試合での安打数も11と増えた。金本監督は「ナイターでの移動ゲーム後だったので。ヘッドコーチからそうしないかと聞かれて、いいですよと。連続ティーとか、アメリカン(ノック)とか。短い時間でパッとキレを出すというね。夏場はこういう練習で良いと思う」と説明した。

 「選手たちは連戦も続くので、そういう配慮は嬉しい」と感謝した福留は3回に中前打、4回には右前打と快打を重ねた。日米通算2000安打へ一気に前進し、残すは18本。広島・黒田が日米通算200勝に足踏みが続く中、次の偉業達成はオレだと言わんばかりに足どりは軽い。

 「自分の形としては納得できないところもあるけれど、打者なのでHランプが点けば気分も変わるし、明日も気分の切り替えができるからね」

 背番号8が元気でいる限り、金本阪神に失速はない。(久林 幸平)

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2016年6月5日のニュース