ドラ5青柳、初登板初先発1勝 阪神右腕では村山以来57年ぶり

[ 2016年6月2日 05:45 ]

<楽・神>プロ初登板初先発で初勝利!5回3安打1失点の青柳

交流戦 阪神5―3楽天

(6月1日 コボスタ宮城)
 ググッと体を沈み込ませながら、腕は横から出てくる。阪神のドラフト5位ルーキー・青柳が、自ら「クオータースロー」と呼ぶ独特の変則フォームだ。ボールは荒れた。5回で110球を要し5四死球。それでも3安打1失点に抑えた。

 球団では14年岩崎以来となるプロ初登板初勝利。先発の右投手に限れば、59年の村山実以来の快挙だ。

 「四死球が多くて課題も出たけど、粘りながら1失点は合格点。先発の役目は何とか果たせたと思う」。予定していた横山が左肩痛を訴え、前日に急きょ先発を告げられた。「凄く緊張した。でも、準備は常にしていたし、チャンスを何とかものにしようと思った」。初回、先頭・岡島にいきなり四球。3回にも1死から3連続四死球で満塁のピンチを背負ったが、後続を断った。

 「僕は元々、上手投げが下手くそで…。どうすれば試合に出られるかを考えて今の独特な投げ方になった。この投げ方は誰よりも一番長いという自信はある」。小5で野球を始め、小6でコーチの助言もあって横手投げに転向した。ただのサイドスローではない。上半身を沈めるフォームは下手投げのよう。そこから右腕をむちのように横から振る。下手と横手の中間だから「クオータースロー」。小学生で横手投げは珍しく「昔はよくからかわれて、恥ずかしかった」というが、今では最大の武器である。最速143キロをマークした直球は威力満点。そこに得意のツーシーム、スライダーを織り交ぜた。

 開幕から約2カ月。同期入団で同じ大卒の高山と板山が一足先に活躍しており、「凄いな…と思いながら、悔しい気持ちもあった」。超変革の金本阪神に現れたニューヒーロー。「これだけの人の前で試合をしたことがなかった。いい経験になった」。初々しい若き力で、チームは再び勝率を5割に戻した。

 ▼阪神・金本監督 青柳は勢いと打ちにくさに期待して出した。5回1失点は十分。

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