雄星156キロ斬り 筒香と“平成の新名勝負”燃えた

[ 2016年6月2日 06:17 ]

<西・D>7回3安打無失点で5勝目を挙げた菊池

交流戦 西武7―0DeNA

(6月1日 西武プリンス)
 平成の新名勝負だ。西武の菊池雄星投手(24)が1日、DeNA戦に先発し、7回を3安打無失点で今季5勝目を挙げた。同じ1991年生まれの筒香嘉智外野手(24)と公式戦で初めて対戦。2回に自己最速にあと1キロに迫る156キロを投げ込むと、4回には空振り三振に仕留めた。高校時代に打ち込まれた同学年のライバルにリベンジ。今季最多の11三振を奪い、怪物左腕が本領を発揮した。

 18・44メートルの空間で火花が散る。2回、菊池が筒香に投じた3球目の直球は156キロ。昨年9月に計測した自己最速の157キロにあと1キロに迫る剛速球だった。判定はボールでも西武プリンスドームに集まった1万6793人がどよめく。フルカウントから四球となった6球目も153キロ。思い切り胸元に投げ込んだ。

 菊池 侍ジャパンの4番で同級生。一番打たれたくない打者。特に腕を振りました。(球速も)出すつもりでした。

 筒香 他の人よりも、(自分に)力を入れているなという感じはした。

 花巻東のエースだった菊池にとって、同じ91年生まれで横浜の主砲だった筒香は高校時代からのライバル。14年のオープン戦では2試合で計5打数2安打と分が悪かった。公式戦初対戦となった2回は四球。それでも150キロ超の直球を連発した。4回はフルカウントから134キロのスライダーで空振り三振を奪った。最後の対戦となった7回は、初球の直球をフルスイングされて中前打。自身の近くを通過する強烈なライナーだった。

 3打席の対戦で計13球。直球は10球も投じた。力と力。平成の新たな名勝負を予感させた。お互いに連絡先は知らない。球場で会ってもあいさつを交わす程度だが、実力は認め合う。筒香も菊池について「単純にいいピッチャーだと思う。コースを絞るというよりも、来た球を打とうと思っていた」と振り返るように、対戦に没頭していた。

 高校時代は練習試合で対戦し、7打数6安打と打ち込まれた。菊池には忘れられない衝撃の記憶がある。3年時の09年5月30日。プロのスカウトが集結することを考慮し、横浜(現DeNA)の2軍の本拠地、ベイスターズ球場で行われた試合で右翼場外に一発を食らった。しかも筒香は数日前に39・4度の発熱で体調を崩していながら「菊池と対戦したい」と希望しての強行出場。筒香は「よく覚えていない」と振り返ったが、「被害者」である菊池は「2打席目にカーブをライトの場外に打たれました。(筒香は)試合途中にタクシーで帰っていきましたから」と苦笑いした。

 菊池 日本一のバッターと対戦できて楽しかったです。

 7回を3安打無失点。今季最多の11三振を奪い、5勝目を挙げた。これで5月以降の5試合は4勝1敗とし、連続イニング無失点も20に伸ばした。連敗を免れ、借金を4に減らした田辺監督は成長著しい菊池について、「攻撃陣が5回まで得点できなかったけど、じれずに辛抱強く投げた」と目を細めた。

 菊池にとって、少年時代の名勝負とは。そう聞かれ、「巨人のアルモンテのファンだったぐらいで、名勝負は覚えてないです」と笑った。筒香との名勝負は野球少年の目に焼き付いただろう。(山田 忠範)

 ▼DeNA・ラミレス監督 菊池は信じられないくらい直球の切れが良かった。打者も対応することができなかった。

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