鷺宮製作所にあと一歩のカベ 目良監督「ドームに連れていけなくてすまん」

[ 2016年6月1日 21:44 ]

都市対抗野球東京2次予選第3代表決定戦 鷺宮製作所0―2東京ガス

(6月1日 神宮)
 あと一歩。鷺宮製作所には酷な敗戦となった。都市対抗野球東京第3代表決定戦。東京ガスのエース山岡に9安打を浴びせながら、あと1本が出ず7年ぶりの東京ドームの夢は散った。

 第1代表決定トーナメントの準決勝。NTT東日本に延長13回の末、サヨナラ本塁打で決定戦に進出。まず最初のカベはJR東日本だった。正面からぶつかっての1点差惜敗。しかし第2代表決定戦がある。今度は敗者戦で勝ち上がったNTT東日本と再び対決。この試合は相手投手陣に抑えられ、無念の敗戦。そしてこの夜の東京ガス戦となった。

 第1代表決定戦から3連戦。一方の東京ガスは第2代表決定戦の準決勝(5月29日)で敗れ中2日の余裕があった。連戦の疲れと最後の切符というプレッシャー。相手のエース山岡は中3日と不利な要素は山のようにあった。

 そんな中でも鷺宮製作所は全力でぶつかった。8回まで毎回、山岡に安打を浴びせ、守っても4回には中堅・津久井、左翼・吉浜が打球を転倒しながらも離さないスーパーファインプレーを連発。スタンドの感動を呼んだ。しかし9回、渡辺侑の打球が左翼手のグラブに収まり敗戦が決まった。

 都市対抗予選ならではの日程。第1代表になれば優先的に補強選手を選べるが、その試合で負けていくと地獄が待つ。昨年8月から就任した目良宏監督は「日程は最初からわかっていたこと。選手はよくやってくれた。あと一つ足りなかった」と言い訳にはしなかった。東京ガスが歓喜の輪を作る中、ベンチ裏では「みんなを東京ドームに連れていけなくてすまん」と指揮官はわびた。

 「確かに力はついてきているんです。でもこのカベを破らないと。きょうもバントで送れなかったり出来ないこともある。うちの野球をして、何としてもカベを破りたい」自分に言い聞かせるように目良監督は前を向いた。

 チームは、社会人野球を題材にした池井戸潤氏の小説が原作で、14年に放映されたTBS系ドラマ「ルーズヴェルト・ゲーム」のモデルともなった鷺宮製作所。敗れたとはいえ、見ている者に感動を与えてくれた。来年こそは、そんな気にさせてくれるチームだった。

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2016年6月1日のニュース