石井一久氏 交流戦セ復権へ…打ち勝てる広島、打率、本塁打トップ

[ 2016年6月1日 09:20 ]

広島のエルドレッド

 【石井一久 クロスファイア】12年目を迎えた交流戦が開幕した。過去11年間でセ・リーグの勝ち越しは09年の1度だけ。なぜ、パ・リーグが強いのか。一番の理由は、先発投手の層の厚さだろう。普段、対戦しない同士では、やはり投手の方が有利。打者はデータなどで研究しているとはいえ、最初の対戦で打ち崩すのはなかなか難しい。僕も現役時代、交流戦で投げる時は相手の弱点を突くよりも、自分の長所を出していく投球をしていた。

 パはエースと、それに匹敵する投手がどの球団も2、3枚はいる。セはエース同士の戦いでは五分に戦えても、2戦目、3戦目の先発投手のカードの切り合いになると、パの方が力のあるカードを持っている。その差が勝敗に出てしまう。

 最近の交流戦のチーム打率を調べてみた。昨年は1位がソフトバンクの.287で、2位・ロッテ(.286)、3位・西武(.272)、4位・日本ハム(.263)とパが続き、5位に広島(.260)。セの球団がチーム打率トップだったのは、08年の阪神が最後で、7年連続でパの球団(ソフトバンクが4度)が1位で、ここ3年間は上位5球団中、4つをパが占めている。

 セの球団が交流戦で好成績を収めるには、まずは打ち勝たないといけない。となると、今年は広島に期待したい。チーム打率、本塁打ともに12球団トップ。セ・パの投手格差を差し引いても、打線のバランスがいい。主砲エルドレッド、好調の新井のほかにも、菊池、丸、田中といやらしい打者が多い。ヤクルトは10点取れる打線だが、同じぐらい失点するのでどうか。

 あと、面白いのはDeNA。投手力という点では、今永、石田の左腕コンビは対戦経験がないパの打者はてこずるのではないか。先発投手のカードの切り合いで唯一対抗できる球団だろう。

 ちなみに、僕は交流戦は好きだった。セ・パ両方の球団に在籍していたとはいえ、普段、あまり行かない球場で投げるのは新鮮な気持ちになる。投げない日のご当地グルメをお目当てにした売店巡りも。甲子園の焼き鳥がお気に入りでした。(スポニチ本紙評論家)

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2016年6月1日のニュース