【槙原寛己の視点】DeNA今永 12球団No・1防御率支える強気

[ 2016年5月29日 08:30 ]

<D・広>6回2/3を6安打1失点で4勝目を挙げた今永

セ・リーグ DeNA3―1広島

(5月28日 横浜)
 例えるなら、かつて中日に在籍した左腕・チェン(現マーリンズ)のようだ。DeNA・今永の直球はきれいなフォーシームで、縦回転の強烈なスピンがかかっている。今の時代はツーシームなど手元で動かす球種が全盛。そんな中、140キロ前後ながら質のいい直球で次々と空振りを奪っていく。

 母校・駒大野球部は「仕事は走ることだけ」というほど鍛えられるらしい。強じんな下半身と、持って生まれた肘と手首の柔らかさ。そこから放たれる直球に、広島打線は完全に差し込まれていた。そこに100キロ台のカーブをスパイスに加える。初回は新井を見逃し三振。6回には1ボール1ストライクからのカウント球にカーブを使った。直球がいいから必然的に変化球が生き、打者はその緩いボールが邪魔になってさらに直球に振り遅れる。好循環だ。

 そんな今永は、ピンチの場面も臆せず内角に投げ込んでいた。ラミレス監督が就任当初から掲げていた強気な投球。投手陣に意識が浸透し、しっかりと技術も伴っている。それが12球団No・1のチーム防御率にもつながっている。(スポニチ本紙評論家)

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2016年5月29日のニュース