岩隈 メジャー通算50勝!日本人投手歴代最高勝率で到達

[ 2016年5月27日 05:30 ]

<マリナーズ・アスレチックス>7回3失点でメジャー通算50勝目を挙げた岩隈(AP)

ア・リーグ マリナーズ13―3アスレチックス

(5月25日 シアトル)
 マリナーズの岩隈久志投手(35)が25日(日本時間26日)、アスレチックス戦で今季3勝目(4敗)を挙げ、メジャー通算50勝を達成した。大量援護にも恵まれ、7回を8安打3失点。日本人投手では5人目の快挙だが、50勝到達時の勝率・633は松坂大輔(レッドソックスなど)の・602を上回る歴代最高となった。チームは貯金を今季最多の10とし、地区首位を快走している。

 日本では107勝をマークしている岩隈だが、メジャーでの通算50勝は感慨深いものがあった。「やはり一つ勝つのが大変というのは、物凄く感じます。いろいろな人の支え、助けがなければ達成できなかった」。クラブハウスでは今季本拠地初勝利の味をかみしめるように振り返った。

 同地区のアスレチックスと今季2度目の対戦。2回にデービスに甘く入った変化球をソロ本塁打され、6点リードの5回には3連打で2点を失った。しかし「踏み込んでいるのが見えた。厳しく内角を攻めた結果、ゲームをつくれた」と、6、7回は3人ずつで料理し、救援陣に後を託した。

 50勝への道のりは平たんではなかった。渡米1年目の12年、キャンプで結果が出ず、先発ではなく中継ぎでスタート。初先発を勝ち取ったのは、15試合目の登板、7月2日だった。その頃、ヤンキースの黒田(現広島)が7月20日、レッドソックスの松坂(現ソフトバンク)が8月27日にメジャー50勝を達成。年齢の近い松坂の50勝を聞いた時「メジャーで1勝することの大変さが、米国に来て本当によく分かった」と漏らした。自身は5年目で到達。「松坂さんにも一つ近づけたと感じます」と言った。

 抜群の制球力でゴロの山を築き、少ない球数で試合をつくる岩隈の投球スタイルは、安定感という最大の武器をもたらす。14勝を挙げた13年はわずか6敗で、リーグ6位の勝率・700。50勝到達時の・633は松坂(・602)を上回った。

 これまでウイニングボールは感謝の気持ちを込め、お世話になった人に渡してきた。50勝の記念球については「まだどうするか決めてません」と笑った岩隈。次の節目を目指し「これからも勝てるピッチングをしていきたい」とうなずいた。

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2016年5月27日のニュース