ダル完璧!2Aで6回6K零封 29日メジャー待ってろ

[ 2016年5月24日 05:30 ]

<フリスコ・サンアントニオ>マイナーでのリハビリ登板で、6回を無失点に抑えたレンジャーズのダルビッシュ

 完璧仕上げ!右肘手術から復活を目指すレンジャーズ・ダルビッシュ有投手(29)が22日(日本時間23日)、傘下2Aフリスコの一員としてサンアントニオ戦に先発し、6回を3安打無失点だった。最後のリハビリ登板で、5試合計20イニングを投げて防御率0・90。28日(同29日午前8時15分開始)のパイレーツ戦での復帰が決定的で、14年8月9日のアストロズ戦以来となるメジャーのマウンドに万全の態勢で帰ってくる。

 穏やかな表情で前を見据えて言った。リハビリ登板の総仕上げを終えたダルビッシュは「今日で90球近く投げたので大丈夫かなと思います」と好感触を口にした。レ軍のジェフ・バニスター監督は「全て良ければ土曜日(28日)に投げるだろう」と明言。28日(日本時間29日)の本拠地でのパイレーツ戦で、いよいよメジャーに復帰する。

 この日の仕上げは完璧だった。5月1日のリハビリ登板初戦と同じドクターペッパー・ボールパーク。序盤は95マイル(約153キロ)前後の速球で押し、3回からは90マイル(約145キロ)前後のシンカーで早打ちを誘った。6回90球をメドとした登板で、6回87球で3安打無失点。最速96マイル(約154キロ)を計時した。「(テーマは)球数をしっかり投げて、クリアすることだった。最初は飛ばしたけど、味方がいい攻撃をして間が長かった分、疲れも出てきた。あまり力を入れないで投げよう、ということで」。チェンジアップも交えるなど、少ない球数で長いイニングを投げるメジャーの先発投手のスタイルに戻っていた。

 5度のリハビリ登板で計20回を投げ、9安打4失点(自責2)。21三振を奪い、防御率は0・90だった。「思っていたより、凄くいい球がいっているなと思う。ゲーム感覚も徐々に良くなっているし、肘もリハビリを重ねるごとに強くなっている」。リハビリ登板初戦から最速97マイル(約156キロ)を計時。2戦目は同98マイル(約158キロ)を記録し、直球の平均球速で驚異の95・33マイル(約153・39キロ)をマークした。その後は変化球を増やして実戦的な駆け引きで抑える投球にシフトした。前回4戦目は「追い込んだら三振を狙いにいった」投球も試み、5回で6奪三振。本番までに必要な試運転を完了させた。

 昨年3月に右肘のじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受け、658日ぶりに立つメジャーのマウンド。その時を前にして、気持ちの高ぶりはあるかと問われると「それはないですね。次もリハビリだという気持ちでいった方が楽なので。変に気負わずにやりたい」と涼しく否定した。復帰戦だけでなく残るシーズン、そして来季以降も結果を残さなければ意味がないと承知している。

 復帰戦の相手は強力打線を誇るパイレーツ。打者のレベルは世界最高峰へ一変する。「実際メジャーで投げてみないと分からないですけど。大丈夫じゃないかなとは思っている」。自信を問われると第一声と同じく「大丈夫」と繰り返した。人事を尽くし、運命のマウンドへ向かう。(後藤 茂樹)

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2016年5月24日のニュース