阪神・能見、悪夢再び…気持ちの整理つけ「仕方ないよ」

[ 2016年5月16日 08:12 ]

<D・神>阪神先発の能見

セ・リーグ 阪神5-5DeNA

(5月15日 横浜)
 試合後、阪神・能見が報道陣の前に姿を現したのは選手の中で最後だった。長い時間をかけて気持ちの整理をつけたかのように淡々と言葉をつないだ。

 「(投球プランは)しっかりできたと思う」

 序盤からDeNA打線を手玉に取った。スライダーを低めに集め、チェンジアップで緩急も駆使。今季失点の目立っていた立ち上がりを無難に終えると、3点の援護をもらった4回以降はさらに勢いづいた。5回からの3イニングは完全投球。警戒していた梶谷、筒香の強力な中軸も計6打数1安打に封じ、ほとんど仕事をさせなかった。

 順調に完封ペースを刻みながら落とし穴にはまったのは8回だった。2死一、二塁で初回にも左前打されていた宮崎に直球を捉えられて右翼フェンス直撃の適時二塁打。3点差ながら後を救援陣に託した。直後、梶谷の飛球を内野陣がお見合いする形で捕球できず残した走者2人に生還を許し、能見に計3失点が付いた。

 一度狂った歯車は戻らない。2点差へ広げた9回もマテオの乱調で同点とされ、ほぼ手中にしていたはずの白星がこぼれ落ちた。完封目前で筒香に同点ソロを被弾した4月1日に続く“横浜の悪夢”。7回2/33失点で先発の役割を果たしながら後味の悪さは残った。

 「(梶谷の飛球は)仕方ないよ。次、また、切り替えてね」

 味方の拙守に対して多くは語らず帰りのタクシーへ乗り込んだ。長い1年間の戦い。後ろ髪は引かれない。完投勝利した4月24日の広島戦(マツダ)以来、3試合連続で白星はなくても、引きずらず次のマウンドだけを見据えた。 (遠藤 礼)

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2016年5月16日のニュース