鳥谷復活弾&タイムリーも…拙守&マテオ不調でドロー

[ 2016年5月16日 05:30 ]

<D・神>4回表2死三塁、鳥谷は左越えに2点本塁打を放つ

セ・リーグ 阪神5-5DeNA

(5月15日 横浜)
 せっかく復活弾が出たのに…。阪神は15日のDeNA戦(横浜)を延長12回で引き分けた。一時は最大4点差の優位に立ちながら8回に拙守、9回にはマテオの不調が響いて追いつかれた。悔しい一戦の中で鳥谷敬内野手(34)は18試合77打席ぶりの左越え2号2ランを含む復調の3打点。田淵幸一氏(69=スポニチ本紙評論家)を抜いて球団歴代7位に躍り出た。

 鳥谷の一撃は右翼から左翼方向に吹く横浜の追い風に乗った。4月22日の広島戦(マツダ)以来、18試合77打席ぶりの感触が両手に残った。

 「何とか当てられれば良いと思っていました。うまく叩けました」

 4回、無死満塁からゴメスの遊ゴロ併殺の間に先制した後、残った2死三塁でDeNA・山口にたたみ掛けた。1ボール2ストライクからの4球目、直前に空振りした真ん中付近の速球に今度は合わ せた。少し振り遅れ気味にも見えても左翼席まで力強く運んだ。

 「あのイニングを1点だけで終わるのと点が入るのとでは試合の流れも違ってくるし、いい1本が打てた」

 能見を援護した一発は開幕から41試合目でやっと2号を数えた。実に10試合ぶりに打点を挙げ、この時点で阪神選手としての通算打点で田淵幸一氏に並んだ。

 そして、今度は停滞することなく、すぐに超えた。

 6回、2死無走者から左中間二塁打で出たゴメスに右前適時打で続いた。「2死からチャンスを作ってくれたので何とか還したいという気持ちだった」。初球フォークを完璧にとらえ、歴代7位に躍り出る736打点目を刻んだ。節目の一打は金本監督の目にも復調の兆しとして映った。

 「トリらしい当たりだった。ああいう風に変化球を前でね。体に入れずに落ちる前、落ち際というか、変化する前に引っ張れていた」

 開幕から打撃の状態が上がらず、4月中旬まで打率1割台に甘んじた。一度は11試合連続安打で2割6分台まで戻しながら前日14日に通算300本目の二塁打を放つまで22打席連続無安打の再下降。今回のDeNA3連戦では打順7番まで下げられた。

 試合前練習では2日連続で若手組に混じって室内練習場で特打に取り組んだ。打撃フォームも高く上げていた右足をすり足気味に変更。微修正を重ねながらヒントを探した。「まだ良いと言える状態ではないので、次の試合また頑張ります」。完全復調には、まだ早いという自覚があった。何より勝利に結び付かなければ笑えない。

 金本監督も上昇への転機として期待を寄せた。「本塁打はちょっと振り遅れっぽかった。本人もあんまり納得いっていないと思うけどね。そろそろ本調子に戻してくれないとね。戻してほしい」。悔しい引き分けでも2度響いた快音は猛虎再出発への明るい材料になった。 (久林 幸平)

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2016年5月16日のニュース