金本監督「超変革」の余波 在阪テレビ局は“自転車操業”

[ 2016年5月15日 10:48 ]

<D・神>金本監督は選手交代を告げる

 7年ほど芸能担当を務めた視点から、真っ先に浮かんだのが在阪テレビ局への影響だった。阪神金本監督が推し進める「超変革」の波が在阪テレビ局にも波及している。

 今年3月にスタートした阪神選手の素顔を紹介するMBSテレビのインタビュー番組「虎ノトラの巻」(月曜後10・54)。番組プロデューサーの市村雅道氏(48)は「放送開始からストックなんて1本もないです。現状決まっているのは(5月)16日放送回の安藤選手だけ。今後の取材も決まってないです」。通常では考えられない“自転車操業”が続いている。

 収録番組の多くは、1回の収録で「2本撮り」、あるいは「3本撮り」と複数回分を撮り溜めておくのが通例。稼働時間が限られる取材対象者を考慮する意味合いと、予算などの制作側の都合が合致するためで、常識となっている。バラエティー番組などはタレント起用を含め、数カ月前から入念に調整する。「虎ノ…」のように、シーズンいっぱいの放送予定であるなど、今後の方針が定まっている場合、企画段階で年間スケジュールが固まっていても、おかしくない。しかし、そうできない理由がある。金本監督が掲げる「育てながら勝つ」を実践する若手野手の積極起用による「入れ替え」だ。

 同番組は初回放送(3月28日)は開幕投手を務めたメッセンジャーを起用。続いて能見、福留と主力を取り上げた。ここまでは良かった。市村Pは「旬の選手を取り上げたいが、放送日までに誰が1軍に残っているかが分からないので決めきれない」と頭を抱える。

 開幕から1カ月以上が経ち、阪神の選手で外国人選手を除いてプロ初安打を放った選手は、ドラフト1位・高山(明大)、同6位・板山(亜大)、北條、陽川ら7人に上る。金本監督の手腕でもあり、番組上も目白押しのラインナップかと思われるが、競争激化により日替わりヒーローが続々誕生。開幕1軍スタートの横田、4試合連続本塁打を放った江越も候補にリストアップしていたが、5月に入り、打撃不振を理由に出場選手登録を抹消。見通しが立たなくなった。そうこうしているうちに、今度は育成から這い上がった捕手の原口が攻守で存在感を発揮。早くからセッティングしていた開幕マスクの岡崎を5月2日に放送したが、その時点ではベンチを温める日が続いている状態で、新鮮味が薄れた。新顔は途切れないが、制作側にとっても、ブッキングする球団サイドにとっても“狙い球”が絞れないという訳だ。

 「北條選手や陽川選手、好調のドリス選手もオファーはしています。早く今後の放送予定を数週間分リストアップをしないと、宣伝担当から“媒体さんにPRしようにも、放送予定も決まってないんじゃ売り込めんわ”って怒られちゃいます(笑い)」(市村P)

 とはいえ、内野手では故障離脱中の西岡が近く復帰しそうな様相。投手陣との兼ね合いもあり単純には言えないが、また別の若手が降格する可能性は十分にある。一方で、江越、横田は掛布2軍監督の指導を受け、再び上昇曲線を描くために奮闘しており、ドリスの昇格に伴って外国人枠の関係で降格したヘイグも2軍で好調をキープ。打撃不振に苦しむ金本阪神において、長打力を求める声も上がる。まだ入れ替えは続く。MBSテレビが頭を悩ませる日は、しばらく続くきそうだ。(記者コラム・湯澤 涼)

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