ミスター「長嶋ロード」お礼で43年ぶり自主トレの地・大仁訪問

[ 2016年5月5日 05:30 ]

「長嶋茂雄ランニングロード」のモニュメントの横に立つ長嶋氏

 ミスターが大仁に帰ってきた。プロ野球巨人の長嶋茂雄終身名誉監督(80)が4日、静岡県伊豆の国市を訪問。現役時代に自主トレを行った思い出の地を43年ぶりに訪れ、地元ファンから熱狂的な歓迎を受けた。

 「お帰り!ミスター!」。伊豆箱根鉄道の大仁駅からほど近い、狩野川沿いにある「長嶋茂雄ランニングロード」の記念碑。伊豆の国市・大仁地区の人口は1799人(16年4月1日現在)だが、実に約1000人が集まった。中には感極まって泣きだす男性もいた。

 長嶋氏は車を降りると、40年以上前に自身が走っていた道を感慨深そうに歩いた。出迎えた地元の少年野球チームのチビっ子から巨人の帽子を手渡され、それをかぶって笑顔。「最高だよ」と何度も繰り返し、さらに左手で大勢のファンと握手をするサービスぶりだった。目の前には、自主トレの際に駆け上がっていたという城山(標高342メートル)の威容。「あれに登っていたんだよ。えへへ」と得意げに話した。

 「とても懐かしかったです。行く所、行く所で市民の皆さんから大歓迎を受け“お帰りなさい”と声を掛けていただいた。その言葉に非常に元気づけられ、勇気と希望をもらいました。自主トレを行った時のことを思い出すことができました」

 大仁は67~73年に「山ごもり」と称して自主トレで汗を流した地。この日も立ち寄った「大仁ホテル」に滞在し、川沿いを走るなどして心身を鍛え上げた。その縁で「長嶋茂雄ロード」「長嶋茂雄ランニングロード」が今年3月までに完成。4月26日、長嶋氏サイドから市側に「お礼が言いたい」と訪問したい意向が伝えられたという。最初に訪れた市役所には約200人、大仁駅前にも約700人が集結し、地元総出の大フィーバー。長嶋氏は最後に世界文化遺産「韮山反射炉」を見学して、帰京した。

 「今日は素晴らしい一日でした。市民の皆さんには、非常に感謝しています。そして、こちらから見る富士山は、やはり最高でした」。朝までの雨天が一転して、抜けるような5月の青空。長嶋氏が大仁の地に笑顔と太陽を運んだ。

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