聖子と子供も見守った ダル「忘れないでくれて本当に感謝」

[ 2016年5月3日 05:30 ]

<2Aフリスコ・2Aコーパスクリスティ>ダルビッシュ(右端)に声援を送るファン

テキサス・リーグ 2Aフリスコ3―4、2Aコーパスクリスティ

(5月1日 フリスコ)
 レンジャーズ傘下2Aフリスコの本拠地球場には、史上4番目となる1万1842人が集まり、「ダルビッシュ・フィーバー」に包まれた。2回を投げ終えると、スタンディングオベーションが起きた。ダルビッシュは、グラブをそっと上げて歓声に応えた。

 「1年いなかったのに、忘れないでいてくれたので本当に感謝です」。手術後も苦しいリハビリに常に前向きな姿勢で向き合ってきた。公の場で弱気な姿を見せたことはなかったが、試合後の会見では、投げ終えた後の光景を思い浮かべ、目が潤んだ。スタンドにはともに暮らし、リハビリ生活を支えてきたレスリング元世界女王の山本聖子さんや子供の姿もあった。

 普段は冷静な右腕も高ぶる気持ちを抑えきれなかった。「普通のリハビリ登板1回目なのに、メジャーの無死満塁くらいの気持ちで投げてしまった」と告白。この日、挙げた唯一の課題は「気持ちが入りすぎた」ことだった。「ここ最近で一番の思い出か」と聞かれた右腕は「赤ちゃんが生まれた時の方がよかった」としたが、「セカンド(2番目)」と思い出深い登板となった。

 マイナーでは異例の前売り券が完売。今季2Aフリスコの主催11試合の観衆は平均6682人だったが、それを大きく上回った。フリスコ市に隣接するプレイノ市には、今年4月にレ軍とパートナーシップ契約を結んだトヨタ自動車が段階的に北米の本社機能を移転させており、日本人も多い土地柄。背番号11のユニホームを着たファンも多数詰めかけた。人口約15万人の街は、エースの復活劇に酔いしれた。

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