コボスタ観覧車ルポ 6分間の「空中散歩」、見てみたい直撃弾

[ 2016年5月3日 08:15 ]

3日から運行されるコボスタ宮城の観覧車

 楽天の本拠地・コボスタ宮城に球界初となる観覧車が設置され、3日のロッテ戦から運行を始める。2日には報道向けの事前公開が行われ、担当記者も乗ってみた。

 ゴンドラが上昇を始めると、今季から緑鮮やかな天然芝に生まれ変わったグラウンドの全景がゆっくりと現れる。登るにつれて、徐々に球場全体さらには仙台市内を望むことができる。

 頂上はバックスクリーンの電光掲示板、照明灯よりも上の高さ36メートル。観客席の最上段でさえもはるか下。投手がマウンドで投げる姿、野手がボールを追う様子を窓からのぞき込めば、まるで空から野球を観戦しているような感覚に陥ることだろう。

 この日は試合のない休養日のため、グラウンドも観客席ももぬけの殻。鳥飼健司企画室長が「7回のジェット風船が上がる瞬間、選手のプレーに沸く瞬間はまだ見たことがない。どんな感じになるのか楽しみ」と語ったように、スタンドの観客が盛り上がる瞬間をゴンドラの中から見るのも面白いかもしれない。

 頂上を過ぎ下降を始めると、グラウンドとは反対の東の方角に目を向けた。海岸線が見える。11年3月11日に発生した東日本大震災による津波で甚大な被害を受けた地域だ。4カ月後の7月24日、復興支援試合として開催された球宴で嶋が「スタンドの高いところにいらっしゃる方、バックスクリーン後方、海の方をご覧ください。ここからわずか数キロしか離れていない沿岸部では、まだまだ助けを必要としている方々が多くいます」とスピーチで語った場所である。

 下り始めたゴンドラは段々とレフトスタンド後方に設置された看板に近づく。三木谷浩史オーナーは、観覧車に本塁打を直撃させた選手に楽天スーパーポイント100万円分を贈呈する考えを話していたが、看板への直撃弾も中々、見ない。観覧車は看板よりさらに約10メートル後方。本塁からは約170メートルだけに至難の業だ。だが、いつかは直撃弾を見てみたい。

 ついにゴンドラは地上に戻り「空中散歩」は終了。1周約6分の夢のような時間はあっという間だった。

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