阪神・陽川プロ1号逆転V弾 起用悩んだ金本監督「凄くうれしい」

[ 2016年4月30日 05:30 ]

<神・D>5回無死一塁、陽川が中越えに逆転2ランを放つ

セ・リーグ 阪神2―1DeNA

(4月29日 甲子園)
 一振りで不穏な空気を振り払った。阪神は4回まで無安打9三振。先頭の鳥谷が四球で歩いた5回、無死一塁からプロ3年目の陽川が大仕事をやってのけた。1ボール1ストライクから3球目のチェンジアップを強振すると、打球はバックスクリーン左へ。

 「正直、鳥肌が立った。大歓声の中で気持ちよかった」。チーム初安打。プロ1号が逆転2ランとなった。

 打席に入る前、金本監督から「直球を引っ張るのは難しい。センター返しを心掛けろ」と声を掛けられた。すぐさま実行し、「甘いところに来たけど無理せず引っ張らなかった」と胸を張った。

 抜群の飛距離が魅力の24歳。過去2年で1軍出場はなく、オフには台湾ウインターリーグに派遣された。巨人・岡本らと打撃論を交わして「自分にとって本当に財産になる」。開幕2軍からはい上がり、プロ15打席目で待望のプロ1号。就任当初から「大砲候補」と期待を寄せてきた金本監督を「僕自身も凄くうれしい本塁打」と喜ばせた。

 試合前のコーチミーティング。陽川の先発起用について議論が交わされた。前日28日の巨人戦では代打で空振り三振。金本監督は悩みながらも6番に指名した。「本当は迷った。でも、期待を込めて送り出した」。前日も育成選手から支配下登録されて間もない原口の活躍で引き分けに持ち込んでいた。指揮官は「大きいよ。昨日も若手の活躍。今日も若手。彼らも自信になるよ」と若虎の活躍に目を細めた。

 ◆陽川 尚将(ようかわ・なおまさ)1991年(平3)7月17日生まれ、大阪府出身の24歳。金光大阪では1年夏、3年春に甲子園出場。09年巨人の育成ドラフト3位指名を拒否して東農大進学。4年春に打率・450で東都2部リーグの首位打者に輝いた。13年ドラフト3位で阪神入団。昨季は2軍で54試合に出場し、打率・213、3本塁打、16打点。1メートル80、85キロ。右投げ右打ち。

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