“神宮の鬼”ヤクルト石川9連勝 完封目前1失点もG斬り3勝目

[ 2016年4月30日 05:30 ]

<ヤ・巨>声援に応えるヤクルト先発・石川(左)と中村

セ・リーグ ヤクルト4―1巨人

(4月29日 神宮)
 あと1人だった。9回2死三塁。ヤクルト・石川の109球目は長野にはじき返され左中間への適時三塁打となった。今季初の完封も完投勝利も逃し交代。それでもマウンドを降りる左腕には温かい拍手が送られた。

 「投げきりたかったが、勝っている状態で信頼できる投手にという思いがある。チームが勝てば何でもいい」

 8回2/3を1失点で3勝目。昨年から神宮球場では9連勝だ。8回までは散発3安打。逆風も味方につけてテンポよくコーナーを突き、巨人打線のタイミングを外した。チーム防御率はリーグワースト5・22。先発投手が8回以上投げるのは今季まだ2試合目だ。投手陣が苦しい中、チーム最年長が頼もしかった。

 いい投球と悪い投球を繰り返す今季。前回先発した22日中日戦(ナゴヤドーム)は3回途中7失点と大崩れした。この1週間は女房役の中村と配球面や無駄な四球をなくすことなど話し合いを重ねた。試合直前のウオーミングアップ中には真中監督に声を掛けられた。「自分のペースでやれよ」。人一倍責任感の強いベテランへの気遣いだった。思いに応えた左腕は「自分のペースでできた。毎回こういう投球ができれば」と、次は連勝で恩返しする気概だ。

 大型連休初日、神宮には子供たちも多く詰めかけた。長男・大耀(だいや)くん(11)も今季初観戦。息子に格好いいところを見せたヒーローは「スワローズのゴールデンウイークにしたい」と高らかに誓った。 (町田 利衣)

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