広島・野村 “庭”神宮でプロ初完封 マエケンの投球術を習得

[ 2016年4月28日 05:30 ]

<ヤ・広>完封勝利の野村(右)は緒方監督とハイタッチ

セ・リーグ 広島8―0ヤクルト

(4月27日 神宮)
 ヒーローインタビューで広島・野村の頬が緩んだ。「もっと早くできれば良かったけど、うれしい。5回くらいから最後まで投げたいと思っていた」。今季3勝目はプロ5年目で初の完封。明大時代に東京六大学リーグ歴代19位タイの30勝を挙げた「庭」で、自分史の一ページを飾った。

 8回零封での降板が過去5度。壁を越える9イニング目は1死一、二塁のピンチを招いたが、バレンティン、雄平をいずれもシュートで仕留めた。「技術的には体重移動が良かった」という129球。5安打3三振の投球は昨オフに大リーグ移籍した元同僚から学んだ。

 12年の新人王に輝いたが、13年の12勝から成績は下降線。故障もあり、昨季は自己最低の5勝だった。好不調に関係なく白星を重ねた前田健太(現ドジャース)の駆け引き、打者のタイミングを外せる投球術。昨オフはその習得を目指した。

 「下半身の粘りをつくって体を自由に動かすことができれば、好きなタイミングで投げられる」

 今季初めてバッテリーを組んだ石原は「全部の球でカウントが取れたし、全部の球が決め球になった」と称えた。緒方監督は「打者の逆、逆の配球をしていた。素晴らしいバッテリーの完封劇だった」と野村の変貌を絶賛した。

 だが、人柄までは変わらない。野村は前日に通算2000安打を達成した主砲を立てた。「新井さんにいい運気をもらいました」と謙虚に笑い、カープファンの祝福に何度も手を振って応えていた。

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