拙守連発…金本監督怒った 今季最悪11失点「一番恥ずかしい試合」

[ 2016年4月28日 06:35 ]

<神・巨>険しい表情で交代を告げにベンチから出る金本監督

セ・リーグ 阪神1―11巨人

(4月27日 甲子園)
 虎党に申し訳ない―。阪神は雨で30分遅れのプレーボールとなった27日の巨人戦(甲子園)で大敗し、貯金を使い果たした。投打に精彩を欠き、ともに今季ワーストの11失点、3失策に5併殺のオマケまで付く惨敗劇。普段、感情を表に出さない金本知憲監督(48)も「ファンに申し訳ない。今季一番、情けない試合だったと思うよ」と、コメントの行間に怒りをにじませた。

 決して感情をあらわにすることはない。ただ金本監督の淡々とした表情、口調から紡ぎ出された言葉には怒りとふがいなさがにじみ出ていた。失策絡みで大量失点を重ね、打線は拙攻続き…。甲子園のファンに、見せてはいけない惨敗劇だった。

 「まあ一番、恥ずかしい試合だね、きょうは。本当もう、これではファンに何を言われても仕方ないしね。そういう選手を送り出している俺の責任だから、これは」

 選手を責めているわけではない。戦犯を追及しているわけでもない。勝敗は兵家の常。もちろん敗戦の責は将が負う。ただ、我慢できない部分もある。執念と覇気の見えないプレーには、怒りがこみ上げてくる。

 「ああいう守備があって、悪送球もあったのかな。ある程度は目をつぶってチャンスをあげているけど、やっぱりそこはね。競争。3番を打たせているわけですからね、こっちは。(見逃し三振は)合わないからスミマセン…じゃなしにね」

 矛先が向かったのは、江越だ。4回無死一塁、村田の中堅への大飛球に追いついてグラブに打球を当てるも、つかみきれず。記録上は二塁打となったが、捕球できた打球だった。さらに1死満塁で長野の中前打を処理した際には、本塁への悪送球で余計な1点も与えてしまった。

 守備だけでなく、直後の攻撃でも1死無走者から見逃しで3球三振を食らう始末。5回から“懲罰交代”の形で横田に代えられた。だが、その横田も締まらない。6回1死一塁、9回無死一塁で迎えた打席で、2打席連続併殺打の体たらくに終わった。

 「そこ(積極的な選手起用)を怖がったら、前に進めないから。何と言われようと、育てると言っているんだから。ある程度のことは目をつぶるし、我慢もしないといけないし。期待と我慢の繰り返し。そこでも、きょうみたいなミスが出るとね。やっぱり脱落していくよ、それは」。

 覚悟を決めて積極采配を振るう指揮官も、さすがに我慢の限界。「(レギュラーは)誰もいないよ。若手はね。本当にファンには申し訳ない。今季一番、情けない試合だったと思うよ、本当」。雨の中、声援を送ってくれたファンに対し、こうべを垂れるしかなかった。

 最大4を数えた貯金を使い果たし、5割に逆戻り。だがそれは意に介さない。「超変革」を目指すチームには今、もっと大事なことがある。「どういうチーム作りをしていくかということ、しっかりした野球をすることが目的だから」。育てながら勝つ―。決してぶれない。その途上は決して、平たんではない。(惟任 貴信)

 ▼阪神・中村外野守備走塁コーチ (江越の4回の守備について)グラブに対する意識をもっと高くしてほしい。

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