稼頭央が「救援」投手プラン 登板過多リリーフ陣のため40歳男気

[ 2016年4月26日 06:08 ]

救援投手としてマウンドに上がるプランがある松井稼

 40歳の男気だ!楽天の松井稼頭央外野手(40)が、文字通りの「救援投手」としてマウンドに上がる可能性があることが25日、分かった。チームはここ6試合で延長戦が4度と中継ぎ陣は登板過多。ベンチ入りの投手を使い切ってしまった際の緊急措置として、首脳陣は高校時代に投手経験のある松井稼を起用する考えだ。日米通算で2659安打を記録している大ベテランも、チームのために身を削る覚悟を示した。

 苦しいチーム事情は分かっている。その言葉からは「男気」がにじんだ。ベンチ入り全投手を使い切ってしまう事態が起こった際に「投手として準備するか?」と問われた松井稼は「チームのために、もちろん準備する」と力強く言い切った。

 チームは故障者が続出した今月中旬に6連敗を喫するなど、借金1で4位。特に救援陣の不振と登板過多が深刻だ。先発陣の成績が8勝4敗、防御率3・43に対し、救援陣は2勝7敗、同6・25。ここ6試合は4試合で延長戦までもつれており、抑えの松井裕を筆頭に福山、金刃らがフル回転している。

 実際、梨田監督ら首脳陣は、延長12回の末に8―8だった23日の西武戦(西武プリンス)で「投手・松井稼」を決断していた。ベンチ入り全8投手が登板。12回に8番手で登板した戸村に負傷や危険球退場などのアクシデントがあった際は松井稼を起用する予定で、本人も快諾していた。12回からDHを解除して左翼に入ったが、これは体を温めるためだった。結局、戸村は12回を投げ切ったが、40歳のベテランが示した自己犠牲の精神にナインは感動した。

 松井稼はPL学園時代はエースとして甲子園に出場。身体能力の高さはずば抜けており、西武時代の99年にはオールスター戦第2戦(甲子園)前のスピードガンコンテストで150キロを計測し、周囲を驚かせた。また、楽天では2月の沖縄・久米島キャンプ序盤に野手が肩をつくる一環でブルペンで投球練習を行っているが、14年には最速137キロを記録している。

 野手の公式戦登板としては、昨年、マーリンズのイチローが初めてメジャーのマウンドに上がり、143キロを計測した。その時に松井稼は「凄いよね。僕は(14年)キャンプでもうちょっと出ると思ったから、ショックやった」と話したが、鍛え抜かれた肉体はイチローに負けていない。あくまでも救援陣を使い果たした場合の緊急措置だが、松井稼がいれば積極的な継投も可能になる。40歳の「男気」がチームを支えている。(山田 忠範)

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2016年4月26日のニュース